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シリアルATAとは


近年のブロードバンドとデジタルメディアの普及により、ハードディスクの用途は拡大しています。また、ハードディスクドライブは高密度化と高速化が進んでおり、ホストとドライブ間インタフェースの転送速度にも高い性能が求められるようになってきています。

パラレルATAインタフェースは、これまでストレージデバイス向けインタフェースとして広く普及してきました。しかし、ハードディスクのデータ転送速度は、同インタフェースの最大転送速度100メガバイト/秒に近づき、加えて同インタフェースの性能向上が技術的な限界となったため、ストレージデバイス向けインタフェースには、ブレークスルーが求められていました。そこで、2001年に、将来に渡ってスケーラブルな性能向上が見込める「シリアル ATA」インタフェース規格が策定されました。

シリアルATAは、パラレルATAとソフトウェア的には上位互換を維持しながら、入出力インタフェースに高速シリアルデータ伝送技術を適用した規格で、パラレルATA(Ultra ATA/100)の3倍の300メガバイト/秒の転送速度を持ち、信頼性、省スペースの点にも優れています。2005年にはPCストレージインタフェースのスタンダードとなり、以後はデジタル家電のストレージ機器インタフェースへの採用が進んでいくものと見込まれています。


シリアルATAの特徴

シリアルATA パラレルATA(Ultra ATA/100)
転送速度 150 または 300メガバイト/秒 100メガバイト/秒
信号線 2対(4本)/チャネル 40本/チャネル
ケーブル形状 シールド付き4芯平行同軸ケーブル 80芯フラットケーブル
最大ケーブル長 1~数mケーブル、バックプレーン(~40インチ) 46cm(18インチ)
接続形態 1対1 (1台/ケーブル、ポイントツーポイント接続)
1対1 (1台/ケーブル、ポイントツーポイント接続)

1対15 (PM*1使用)
1対15

2対1 (PS*2使用)
2対1
シェアードバス接続
マスタ・スレーブ(2台/ケーブル)
パラレルATAの接続形式
接続HDD数*3 120台 (=15台/PM x 8ch/ホスト)
シリアルATAの接続HDD数
24台 (=2台/ch x 12ch/ホスト)
パラレルATAの接続HDD数
主な用途 PC内蔵、PC外付け、サーバ、ストレージ PC内蔵
ホットプラグ ×
コマンドキューイング*4 ○ (NCQ) △ (TCQ)
信頼性(CRC対応) △(ATAレジスタ情報は未対応)
コスト



注釈

  1. PM:ポートマルチプライヤ
    EthernetやUSBの"ハブ"と同様に、接続できるデバイス数を増やす事が可能です。
  2. PS:ポートセレクタ
    1台のデバイスを2台のホストから共有するための選択スイッチ。通常は、ホストの内の1台が故障した際に、残るホストに切り替えてシステムの信頼性を高める「フォルトトレラントシステム」として使用されています。
  3. 接続HDD数
    仕様上の制限はシリアルATA、パラレルATAとも存在しませんが、ホスト1台当りの実用的な最大値として記載しております。
    なお、シリアルATAの場合は、8chあるホストの各チャネルに、1-to-15ポートのマルチプライヤ(PM)を接続した場合を想定しています。
  4. コマンドキューイング
    HDDのディスク読み書き完了を待たずに、ホストから複数のコマンドを発行し、HDD側では最適な順序でディスク読み書きを行い、性能向上を図る手法。パラレルATAのTCQ (Tagged Command Queuing)はオーバーヘッドが大きく、効果が薄かったため、ハードディスクメーカーの支持を得られず広く普及しませんでした。シリアルATAのNCQ (Native Command Queuing)は、仕様作成当初より仕様に盛り込まれ、多くのベンダーがサポートを表明しています。