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用途ごとに異なるパッケージの電気特性


  半導体デバイスは用途ごとに追及すべきテーマが異なるため、当然、仕様や電気特性、ノイズ対策などにも違いが生まれます。どのような違いがあるのかを、通信用、MPU系、コンシューマ系の3タイプのデバイスで比べてみましょう。

通信用デバイス

  追及すべきテーマは転送レートの高速化。従来は、複数ある信号線のバス幅を広げて転送レートを上げるというパラレル伝送のアプローチをとってきました。しかし、より高速化するためにクロック周波数を上げようとすると、信号線同士の同期をとることが難しくなるうえ、同時スイッチング・ノイズやクロストーク・ノイズが発生しやすくなってしまいます。
  そこで最近では、バス幅を狭くした1つの信号線を使ってこうしたノイズを発生しにくくし、クロック周波数を上げることで転送レートを稼ぐシリアル伝送が主流となっています。しかし、今度はジッタや減衰の影響が問題となっています。
  パッケージの信号特性面からこの問題を解決するには、構成部分ごとに異なる特性インピーダンスをどれだけ均一化できるかがポイント。こうした対策を付しやすいパッケージとして、コプレーナ配線を採用したTBGAを挙げることができます。
  また、チャネル数の増大に伴って電源の安定性も要求されるようになっており、信号特性に加えて電源特性も考慮してパッケージを選定する必要があります。
MPU系デバイス
  MPU(MicroProcessing Unit)系のデバイスのテーマは処理の高速化。そのために、クロック周波数の高速化が追及されてきました。しかし、同時に低電圧化も図らなくてはならず、これがノイズ・マージンの減少、すなわちノイズの影響を受けやすくなるという状況を生み出しています。
  電気特性的に見て、こうした課題の解決に適しているパッケージは、全面に電源端子を配置でき、チップとはんだボールを最短距離で結ぶことのできるFCBGAです。しかし、このパッケージはまだコスト的に高価なため、低コストを優先したい場合には、より低価格なパッケージを選択し、電源電位の安定化を図る部品であるコンデンサとチップを最短で結ぶといった工夫が必要となります。
コンシューマ系デバイス
  テーマは低コスト。したがって、選択するパッケージもできるだけ安いものということになります。パッケージの大きさを小さくできればさらにコスト的に有利になるので、電源/グラウンドの端子をできるだけ減らすことも有効です。
  ただし、長年コンシューマ系デバイスを担当していると見落としがちなのが、低価格デバイスでも近年急速に進んでいる高クロック化、低電圧化といった動き。ノイズに敏感になってしまうため、以前は想定しなくても済んだノイズが顕在化し、新たなノイズ対策をとらなくてはならないケースも出てくるので注意が必要です。

[図14:各パッケージが対応できる電気設計の項目] 

図14:各パッケージが対応できる電気設計の項目


[図15:各パッケージが対応できる伝送クロック周波数とバス幅の領域] 

図15:各パッケージが対応できる伝送クロック周波数とバス幅の領域