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【新技術詳解】
近年、ICテスタを始めとしたATE (Automatic Testing Equipment)分野においてシステムの高機能・高集積化が進んでいます。
これらの機器においてスイッチ素子が占める面積は大きく、小型化への強い要求があります。
このたび、当社では実装面積を従来比約50%に削減した超小型光MOS FETを開発しました。
以下にその特徴と基本特性を紹介します。
従来、ICテスタ内部のピン切り替えスイッチとしてメカニカルリレーが広く使用されていましたが、ここ数年、光MOS FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)への置き換えが加速しています。
通常、ICテスタ内部には1台当たり数千から数万個のメカニカルリレーが使用されます。
しかし、メカニカルリレーは金属接触による物理的接点を用いていますから、動作速度が遅い、接点寿命が比較的短い、外形が大きいなど、ICテスタに用いるうえでの不都合がありました。
一方、光MOS FETは入力側と出力側が光結合され、出力側のMOS FETのオン/オフ動作による、物理的接点を持たない半導体スイッチですから、動作が速く、長寿命です。
さらに小型化にも適しており、このたび、当社では世界最小クラスの”PS78xxシリーズ”を開発しました(写真)。

図1は一般的なテスタのピンエレクトロニクス部の構成図です。

被測定デバイスの1端子ごとに、最少でも(1)DC測定ライン部としてForcing、Sensingの2個、(2)ファンクション試験用のスイッチとして1個が用いられ、計3個のスイッチが必要です。
これらのスイッチとして使用する素子には、次のようにそれぞれ求められる特性が異なります。
図2は光MOS FETの内部回路構成です。

光MOS FETは、入力側は電流が流れると光を発するLED(Light Emitting Diode)、出力側は光を受けることで起電力を発するPVD(Photo Voltaic Diode Array)とPVDの起電力により駆動されるMOS FETとから構成されています。
それらは図3のように組み立てられています。

モールド構造は対向型を採用しているので、1次~2次間の光結合効率が高く、結果として動作速度も向上しています。
小型パッケージには、出力段のMOS FETのチップサイズも縮小する必要が生じます。
そのため、PS78xxシリーズでは縦型MOS構造のMOS FETを採用し、チップも小型高集積化しました。
その結果、図4の外形寸法図のように、超小型を実現することができました。

このパッケージは、当社の従来パッケージ(PS72xxシリーズ)に比べて実装面積を約50%削減可能です。
また、リード(外部電極)がパッケージの裏面から出ているため、従来のガルウイング型に比べて、次のような実装上のメリットがあります。
このパッケージは耐熱性に優れており、260℃のIRリフロが適用できるので、鉛フリー対応が可能です。
次の表は、今回開発したPS7801-1A、PS7802-1Aの主な最大定格と電気的特性です。
(詳細は個別データ・シートをご覧ください。)
| 品 名 | 特 徴 | 絶対最大定格 | 電気的特性 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 耐電圧 | 負荷 電流 |
絶縁 耐圧 |
出力容量 | オン抵抗 | 動作時間 | 復旧時間 | 通過特性 | ||
| VL (V) |
IL (mA) |
BV (Vr.m.s) |
Cout (pF) |
Ron (Ω) |
ton (ms) |
Toff (ms) |
ERT (ps) |
||
| PS7801-1 | ・低出力容量 | 40 | 100 | 500 | 1.2(TYP) | 10.5(TYP) 14.0(MAX) |
0.02(TYP) 0.5 (MAX) |
0.15(TYP) 1.0 (MAX) |
- |
| PS7802-1 | ・低オン抵抗 ・高通過特性 |
40 | 250 | 500 | 11.5(TYP) | 1.1(TYP) 1.6(MAX) |
0.1(TYP) 0.5(MAX) |
0.08(TYP) 0.5(MAX) |
45(TYP) |
光MOS FETの電気的特性は出力段のFETの特性に依存します。
一般的にFETは同じ製造プロセスのもとでは、同一耐圧であれば、オン抵抗(RON)と出力容量(Cout)との間に次式の関係が成り立ちます。
Ron×Cout=一定
これは、MOS FETチップはセルが並列に並んだ構造のため、セル数が多いほど抵抗は下がると同時に容量が増加するので、CR積は一定となるからです。
ただし、極端に低抵抗(1Ω以下)、低容量(1pF以下)の場合、上式からのずれが生じます。1Ω以下の低抵抗を追及すると、リードフレームとチップとを接続しているボンディングワイヤの抵抗も考慮に入れる必要があります。
また1pF以下の低容量を追及するには、様々な寄生容量も考慮する必要があります。
さらに、通過特性の改善のためには、チップ、リードフレーム、ボンディングワイヤのインダクタンス成分なども考慮する必要があります。
今後、これらの点についてさらに追求し、お客様のご要望に沿った高性能な製品ラインナップを拡充していきたいと考えています。