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NECエレクトロニクスはこのたび、センサーやセキュリティ端末などを低消費電力で接続できる無線通信規格「ZigBee®」の中でも最新の規格となる「ZigBee PRO」に対応する、マイコンおよび無線機能をもつICを1パッケージに収めたマイコン(以後、RF内蔵マイコン)を試作いたしました。
今回当社が試作したRF内蔵マイコンは、当社の16ビットマイコン「78K0R」にZigBee対応のIEEE802.15.4に準拠した2.4GHz帯無線チップをひとつのパッケージに収めた、SiP(System in a Package)製品です。従来ユーザーは、主にマイコンと無線チップを個別に調達し、モジュール化することでZigBee対応のシステムを実現しておりました。今回開発したRF内蔵マイコンは、(1)従来手法と比べて実装面積を最大48%削減できる上、部品点数を2個から1個へ削減可能であること、(2)マイコンと無線チップ間の通信制御方式や接続方法に煩わされることがないため、モジュール化が容易であること、(3)業界でも最高水準の低消費電力なマイコンおよび無線チップを組み合わせることで低消費電力な無線システムを構築できること、といった点が特長です。また、このほか従来手法で開発されたソフトウェア資産の流用が可能といった特長も有しております。
ユーザーはRF内蔵マイコンを採用することで、短期間かつ低コストでマイコンと無線チップをモジュール化し、ZigBeeに対応する最適な小型システムの構築を容易に実現できるようになります。さらに、従来はマイコンと無線チップについて個別に受けていた技術サポートを一元化すると共に、安定した供給を受けることが可能になります。
今回試作したRF内蔵マイコンを製品化した場合、サンプル価格は600円を予定しております。また、当社は新製品のサンプル出荷を2009年度上期、量産を2009年の年末より開始する計画です。従来手法による販売も含め、当社はZigBee分野における2012年の世界シェアの15%の獲得を目標に、事業を推進してまいります。
ZigBee PROは、無線LANやブルートゥースなどと同じ2.4ギガヘルツ(GHz)の周波数帯を使う無線通信規格のひとつで、自己構築、自己修復に対応したメッシュ型無線ネットワークを構築することができます。半径数十メートルの範囲で最大伝送速度が毎秒250キロビットの無線通信を実現し、同じ2.4GHzを使う無線LANやブルートゥースに比べ通信速度の面では劣るものの、乾電池でシステムが構成できるなどシステムの低消費電力化が図れるため、ビル管理、工場、家庭用電力/ガスメーターなどの幅広い分野への応用が期待されており、2010年には世界で2億個、2015年には同5億個の市場規模が見込まれております。
従来、無線チップやRF内蔵マイコンのパッケージはその無線特性を確保するため、パッケージ内の接地電位の安定を目的とし、内部に金属基板をもつ64ピン以下のQFNパッケージなどの採用が主流でした。しかしながらこれでは端子数が不足することから、ユーザーが利用できる端子機能は限定的にならざるを得ませんでした。そこで当社は、市場から好評をいただいている78K0Rの多彩な機能をお客様に活用していただくために、QFNパッケージではなく多ピンのFPBGAパッケージを採用し、試作を行うことにいたしました。FPBGAパッケージは、内部にインターポーザ(注)を利用する関係上、2.4GHzという高周波数帯においては、内部配線などの影響により無線特性が損なわれる懸念がありましたが、当社では独自の基板設計技術により基板内の接地電位の安定化、内部配線の最適化を行うことで、無線特性を損ねることなく多ピン構造を実現いたしました。
当社は今回開発したRF内蔵マイコンの技術を、ZigBee対応システム構築に向けてユーザーの選択肢を拡げるとともに、ZigBeeの普及をより一層加速するものと位置づけ、積極的な製品展開及び拡販活動を展開してまいります。また、今後は32ビットマイコンや、次々に市場投入されるマイコンについても無線チップとのSiP化を推し進め、ユーザーがより多様なマイコン製品群から選べるよう、事業拡大に注力してまいります。
なお、当社は本年11月19日から21日にパシフィコ横浜で開催される「Embedded Technology 2008」にて、試作したRF内蔵マイコンの実演を行います。
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