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NECエレクトロニクスはこのたび、大型LCD(Liquid Crystal Display、以下液晶)テレビの次世代インタフェースとして、「Point-to-Point mini-LVDS:以下PPmLTM」の発展型である「Advanced PPmL」を開発いたしました(注1)。
新技術は、液晶テレビに映像信号を遅延なく送るタイミング・コントローラICとLCDを駆動するLCDドライバICを接続するインタフェース技術で、映像データとクロック信号を分離するためのクロックデータリカバリ(Clock Data Recovery:CDR)回路をインタフェースに組み込む「クロックエンベデッド技術」を採用しております。これにより従来の「PPmL」方式に比べ配線数を1/2以下へ削減できている点が本技術最大の特長です。従来のPPmL方式では、映像データとクロック信号は別々の配線で伝送されていましたが、新技術ではこれらを1本の配線で伝送可能となっています。これにより、映像データおよびクロック信号の配線を一括できるため、より薄型のプリント基板でドライバICの実装が可能となる上、映像データとクロック信号の入出力タイミングの同期を図ることが容易となります。そのため、液晶テレビの薄型化・狭額縁化および開発費の低減、さらに、テレビにおける倍速駆動と呼ばれる120ヘルツ(Hz)での高速駆動の実現が容易になります。
新技術を導入したタイミング・コントローラICおよびLCDドライバICを採用することでユーザーは、デザイン性を追求した大画面テレビや動画像表示時の残像低減対策として将来、普及が進むと見込まれる倍速駆動機能(注2)をもつテレビを低コストで開発できるようになります。
近年、テレビ市場は地上デジタル放送開始の流れを受けて、大画面化、映像の高精細化が進展しています。特に液晶テレビには、液晶を駆動するドライバICのほかに、映像データを複数のドライバICへ遅延なく送るためのタイミング・コントローラICが必要となりますが、大型液晶テレビに対しては、タイミング・コントローラICとドライバICを接続する配線距離が長くなり、基板サイズが製造限界に達する場合、従来のバス・インタフェースでは対応が困難になります。従来は複数個のタイミング・コントローラICを用いて分割制御を行うことにより、配線距離を短くするか、映像領域を複数に分割して1バスあたりのデータ量を減らすことにより周波数を下げる、といった方法が採られております。しかし、この方法では部品点数が増加するため、コストアップにつながるという課題がありました。
このような状況のなか、当社はタイミング・コントローラICとドライバICを1対1で伝送させる、いわゆる「Point to Point」と呼ばれるインタフェース技術「PPmL」を、2006年4月に発表いたしました。これは、配線距離が長くてもドライバICの個数に関係なく高速伝送が実現するため、1個のタイミング・コントローラICで制御できます。また、少ない部品点数でシステム構成が可能になり、大型液晶テレビの開発の低コスト化に貢献できる技術です。今回、さらなる開発コストの低減に加え、デザイン性の追求、残像現象低減を目的とする液晶駆動の高速化、といった大画面テレビ開発の市場ニーズに応えるため、新技術を開発したものです。
新技術は、クロックエンベデッド技術の採用により実現いたしました。クロックエンベデッド技術は、データの送受信時にクロック信号を重畳する符号化・復号化技術で、PCI Express、Ethernetなどの高速デジタル通信では広く利用されているものです。データの送信側では、デジタル信号を一定のルールで符号化することにより、クロック信号をデータ信号の中に埋め込みます。受信側では符号化された信号からクロック信号とデータ信号を分離します。ドライバICは比較的低速度のトランジスタで作られているため、ギガビットクラスの高速通信時の消費電力の大きさや符号化・復号化のロジック回路が複雑になるという課題があり、従来は実現が困難とされておりました。そこで当社は、高速のトランジスタを低コストで製造できるドライバIC専用プロセスを開発し、消費電力と規模をドライバICに最適化した回路を開発することで、課題を解決しました。
当社は新技術を、大画面かつ高精彩な液晶テレビの開発に向けて最適な技術と位置づけており、今後は自社製のLCDドライバICへの技術導入のほか、タイミング・コントローラIC開発企業を中心とするパートナー作りを推進してまいります。
なお当社は、本年10月29日から31日までパシフィコ横浜で開催されるディスプレイ技術の展示会「FPD International 2008」で、新技術の紹介を行います。
ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。