インバータ制御向け16ビットフラッシュマイコン19品種の発売について
〜きめ細かな制御により白物家電の使い勝手と省エネ性能を向上〜
2008年2月12日 NECエレクトロニクス株式会社
NECエレクトロニクスはこのたび、冷蔵庫や食器洗い乾燥機、IHクッキングヒーターなどのインバータ制御向けに16ビットのフラッシュメモリ内蔵マイコン(以下、オールフラッシュ・マイコン)19品種を製品化し、2008年5月よりサンプル出荷を開始することにいたしました。
新製品は、モーターや電磁調理器のきめ細かな制御を実現するインバータ制御システムを構築する際に最適となる16ビットのオールフラッシュ・マイコンで、外部接続端子が30ピンの「78K0R/IB3」2品種、同38ピンから48ピンまでの「78K0R/IC3」8品種、同52ピンの「78K0R/ID3」3品種、および同64ピンの「78K0R/IE3」6品種の計19品種です。新製品の共通の特長として、(1)CPUは、1ミップス(MIPS、注1)あたりの消費電力が1.8ミリワット(mW)という業界最高クラスの電力性能比を実現していること、(2)多機能タイマ用に最高40メガヘルツ(MHz)のクロックを内蔵発振回路から供給可能で、きめ細かなインバータ制御が可能であること、(3)発振回路やインバータ制御に必要なオペアンプ、コンパレータなどの各種基本回路を16ビット製品としては業界で初めて1チップ上にすべて搭載していること、などがあります。
新製品を採用することでユーザーは、きめ細かなインバータ制御が可能であり、冷蔵庫、空気清浄機、食器洗い乾燥機、IHクッキングヒーターなどのいわゆる白物家電を容易に開発できることになります。また、内蔵メモリがプログラムを電気的に書き換え可能なフラッシュメモリであるため、ソフトウェアの書込み、仕様変更時の書換えなどがシステムの基板へマイコンを実装した後でも可能であることから、ソフトウェアとハードウェアを平行して開発することによる開発期間の短縮が可能となります。
新製品のサンプル価格は、内蔵しているメモリ容量により異なりますが、一例として64キロバイトのフラッシュメモリ、3キロバイトのRAMを搭載した「78K0R/IE3」が500円/個となっております。また量産の開始時期は2008年12月、量産規模は2010年度には19品種合計で月産300万個を計画しております。
現在、冷蔵庫、食器洗い乾燥機、IHクッキングヒーター、空気清浄機など、家庭内で用いられる多くの電化製品の分野において、快適さや省エネなどの観点からモーターや電磁調理器をきめ細かく制御するインバータ制御方式が採用されるケースが増加しております。そのため家電製品メーカーは、より一層の低消費電力化、新たな機能の付加、デザインの一新といった手法で、他社製品との差異化を図っておりますが、これらを実現するため開発コストは増加し、開発期間は長期化してしまう傾向にあります。
このような状況のもとセットメーカーからは、低コストでかつ短期間で製品開発が可能なマイコンの早期市場投入を求める声が高まってまいりました。新製品はこのようなニーズに応えるために開発されたもので、主な特長は次の通りとなっております。
(1)業界最高クラスの電力性能比により低消費電力を実現
20MHz動作時に13MIPSの処理性能を有した16ビットCPU「78K0R」を内蔵している。また、トランジスタサイズの最適化などを行うことにより消費電力を低減している。これにより1MIPSあたり1.8mWという業界最高水準の低消費電力化を実現している。
(2)多機能タイマの内蔵によりきめ細かなインバータ制御が可能
定期的に割り込みを発生せるインターバル・タイマ、入力された周波数を分割する分周器機能、外部信号の数を数える外部イベント・カウンタなどの様々な機能を持つタイマ・ユニットを従来の8チャネルから12チャネルへ増設している。これにより従来の機能に加え、一般的にインバータ制御を行う3相モーターに向けに6相PWM(注2)を1チャネル出力し、またはIHクッキングヒーターで使用するハーフブリッジPWM(注3)2チャネル出力が可能となっている。
(3)16ビットマイコンでは業界で初めてインバータ制御に必要な基本回路を内蔵
発振回路、オペアンプ、コンパレータ、高速A/Dコンバータ、などのインバータ制御に必要な各種アナログ基本回路を、16ビットマイコンとしては業界で初めてすべて内蔵している。これにより、従来外付けであったこれらの部品が不要となるため、部品点数削減によるシステムの小型化・低コスト化が可能となる。
(4)19品種を一挙に品種拡充
内蔵のフラッシュメモリの容量は16/32/48/64KB、内蔵RAMの容量は1/1.5/2/3KB、パッケージのピン数は30/38/44/48/52/64本という仕様により全19品種が提供可能となっている。これにより、ユーザーはニーズに応じて製品を選択し、最適なシステムを柔軟に構築できる。
当社は、新製品が地球環境に優しい家電製品の開発負担を大幅に低減できるものと考えており、積極的な販売活動を展開するとともに、さらなる製品拡充をめざし、開発活動を推進する所存です。
新製品の主な仕様は別紙をご参照ください。
(注1)MIPS Million Instructions Per Secondの略。1MIPSは、1秒間に100万回の命令を処理する能力。13MIPS値はDhrystoneベンチマーク1.1ベース。
(注2)6相PWM U相、V相、W相の3つの相(コイル)を持ったモーターの各相に位相の異なる交流電流を流すことにより、モーターが回転する。交流電流は、上アーム3相、下アーム3相で構成される6チャネルのトランジスタに6相のPWMを出力することで生成できる。
(注3)ハーフブリッジPWM 上アーム1相、下アーム1相で構成されるPWM出力。IHクッキングヒーターでは6相PWMではなくハーフブリッジPWM出力が一般的となっている。
(備考)新製品は、Silicon Storage Technology, Incからライセンスを受けたSuperFlash®技術を使用しています。SuperFlash®は、米国Silicon Storage Technology, Incの米国、日本などの国における登録商標です。その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。
以上
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