最先端LSIを低電力・高性能化するチャネル構造設計技術を開発
〜電子線ホログラフィーによる極浅接合可視化により加速〜
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2007年12月11日
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日本電気株式会社 NECエレクトロニクス株式会社
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NECとNECエレクトロニクスはこのたび、世界最高水準の分解能を持つ電子線ホログラフィー(注1)技術を応用してLSIトランジスタ断面の不純物分布の可視化を実現し、32nm世代以降に向けた最先端LSIのリーク電流抑制と性能向上を両立する最適なチャネル構造設計を実現しました。
このたび開発した技術の特長は以下の通りです。 |
(1) |
注入不純物のチャネリング(注2)抑制を行う「クラスターイオン注入」と活性化アニール時の拡散抑制を行う「高温ミリ秒アニール」を組み合わせることで、高活性(低抵抗)かつ急峻(微細化向け)なチャネル不純物分布を持つ接合を形成する技術を開発。実デバイスとして試作し、有効性を実証。 |
(2) |
世界トップレベルの分解能を持つ電子線ホログラフィーを応用し、トランジスタの断面ポテンシャル分布を測定する独自技術を確立。ナノメータスケールデバイスのチャネル構造の可視化により、TCAD(Technology CAD)を用いて設計したチャネル構造の精度検証が可能となり、製造プロセスの最適化が可能に。 |
様々な機器からいつでもネットワークにアクセスできるユビキタス化の進展に伴い、携帯電話、デジタル家電、携帯音楽端末、カーナビなどの電子機器の多機能化が進んでいます。そのため、これらの機器に搭載されるLSIにも、さらなる高機能化、低消費電力化、低価格化が求められており、LSIの微細化を実現する技術への期待が高まっています。
微細CMOSを実現する上では、デバイス構造に起因するリーク電流の増大が問題となります。リーク電流を抑制するためには、トランジスタのチャネル部分に極浅接合を形成する必要がありますが、一方で、極浅接合を形成すると、トランジスタの寄生抵抗の増大による性能低下の恐れがあるため、その構造を最適化することにより、性能向上とリーク電流の低減を両立する必要があります。
このためには、TCADを用いて最適な極浅接合の形状を設計し、プロセス条件の最適化により理想的な構造を実現することが望まれています。しかし、接合形状は製造プロセスの変化に対して非常に敏感に変化するため、実際にシリコン中に作りこまれている構造を確認し、プロセスを最適化することが効率的であり、ナノスケールでの高精度接合観察技術の確立が求められていました。
また、製造プロセスの観点からは、シリコン結晶中に浅く不純物を注入し、この不純物をほとんど拡散させることが無いように、最小限の熱処理により活性化させると同時に、注入により破壊されたシリコン結晶を修復することで、欠陥起因のリーク電流を抑制する手法の確立が求められていました。
このたびの開発は、これらの要望に応え、極浅接合形状の制御と製造プロセスの最適化を実現するものです。本技術により、高性能で低リークなプレーナーバルクCMOSの30nmレベルまでの微細化が充分可能であることを実証しました。
NECおよびNECエレクトロニクスは今後とも、ユビキタス社会の実現に不可欠な高性能・高品質なシステムLSIを低価格で提供し続けるための研究開発を積極的に展開していきます。
今後とも、ユビキタス社会実現に不可欠な高機能システムLSIを、お客様に満足していただける性能・品質で低価格で提供し続けるための研究開発を積極的に展開していきます。
なお、両社は今回の成果を、12月10日から12日まで米国ワシントンDCで開催される「国際電子デバイス会議(IEDM 2007:International Electron Devices Meeting)」において10日に発表しました。
以上
(注1) |
電子線ホログラフィー:
電子線がp/n領域を通過する際の波長差を画像化する技術。電子線ホログラフィーによる不純物分布解析では、電子が試料を透過する際のわずかな波長変化によって、試料内部電位の分布を計測します。 |
(注2) |
チャネリング:
シリコン結晶中にドープしたい不純物をイオン化、電界で加速して叩き込むイオン注入法において、規則正しいシリコン結晶の隙間(チャネル)をイオンがすり抜けるような運動を呈し、結果的に注入分布が深くなってしまう現象をここではチャネリングと呼びます。シリコン原子より軽い不純物原子で起こりやすく、結晶構造が壊れていれば(非晶質化)当然ながらチャネリング現象は抑制されます。 |
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