新しいASIC「プラットフォームイーシップ」の受注を開始
〜マイコンとゲートアレイを1パッケージに封入し、開発期間の短縮および開発費の低減を実現〜
2007年10月11日 NECエレクトロニクス株式会社
NECエレクトロニクスはこのたび、マイコンとゲートアレイをひとつのパッケージに封入したASIC「プラットフォームイーシップ(Platform for Embedded System in a Package: PFESiP)」を開発し、「EP−1(イーピーワン)」の名称で、本日より受注活動を開始いたしました。新製品は、システムオンチップ(System on a Chip、以下SoC)の開発期間短縮および開発費低減を目的として開発されたものです。
EP−1は、当社製32ビットCPU「V850E2コア」を搭載した専用マイコンとゲートアレイ「CMOS−9HD」をそれぞれ1チップ、計2チップを並列してパッケージに封入した新しいタイプのASICで、同等の機能を有する従来のSoCに比べ、(1)デバイスの設計からサンプル出荷までの期間を最大50%短縮できること、(2)開発費を最大90%低減できること、(3)当社製32ビットマイコン「V850」向けのソフトウェア資産を継承できること、(4)V850やCMOS−9HDの開発環境をそのまま使用できること、などの特長を有しております。
当社では、EP−1は特にPOSシステム、工作機械やロボットアームなどのFA機器および自動販売機などの組込み分野において最適な製品であると考えております。
EP−1は、マイコンの外部バスの違いにより16ビットと32ビットの2種類、ユーザーが使用可能なゲート数の違いにより8万ゲート、16万ゲート、24万ゲートのマスタ(注)3種類、合計6品種が用意されており、販売価格は16ビット・バスのマイコンと8万ゲートのゲートアレイの組み合わせで、1万個発注いただいた場合、1,500円/個となっております。量産規模としては、2007年12月より月産100万個を計画しております。
当社はマイコン、ゲートアレイなどの半導体製品について世界トップクラスの半導体メーカーとして業界をリードしております。特にマイコンでは8ビットから32ビットまでの豊富な製品群、高い信頼性、使い易い開発環境など、高い技術と充実したサポート体制により、多くのユーザーから支持を得ており、その結果、世界シェア3位を獲得しております。またゲートアレイでも、充実したユーザーサービスなどの結果、シェアは世界1位となっております。このような強い製品群を背景に、当社はかねてから、特に組込み分野でシステム構築を行うユーザーに対して、汎用のマイコンを中心に、ゲートアレイなど複数の半導体製品を基板に搭載し、システムを構築するソリューション、もしくは各機能を1チップ上に集積し、1チップでシステムを構成するSoCを提案してまいりました。しかしながら、前者の場合は、実装面積が大きくなってしまう、資材コストが高くなってしまう、また、後者の場合は、開発期間が長くなってしまう、開発費が高くなってしまうなど、それぞれに解決すべき課題を抱えており、これらの課題を解決できるソリューションの実現を求めるユーザーの声が高まってまいりました。
新製品はこれら市場ニーズに対応するために開発されたもので、マイコンとゲートアレイを1つのパッケージに封入するため、それぞれの端子配置を最適化したこと、さらに2つのチップを横並びにダイレクトボンディングで連結するシステム・イン・パッケージ(System in a Package)技術により実現されました。
新製品の特長は次の通りとなっております。
1.開発期間の短縮が可能
EP−1を採用した場合、ユーザーが開発する回路はゲートアレイ部のみであること、マイコンとゲートアレイ間に流れる電気信号のタイミングが保証されているためタイミング検証が容易であること、さらにインタフェース部のノイズは当社が検証済みのためユーザーによる検証が不要、といったデバイスの設計および検証工数の削減が可能。そのため、SoCを採用した場合と比べて、デバイスの設計からサンプル出荷までの期間を最大50%短縮できる。
2.開発費の低減が可能
EP−1には、マイコンの外部バスはバス幅の違いにより16ビットまたは32ビットの2種類、ゲートアレイは使用可能なゲート規模の違いにより8万ゲート、16万ゲート、24万ゲートのマスタ3種類、合計6品種が準備されている。ユーザーはこれらのラインナップの中からニーズに合わせて製品を選び、さらにパッケージを572本、550本、464本、433本、417本のピン数の中から選択することで、SoCを採用した場合と比べて、開発費を最大90%低減できる。
3.V850向けのソフトウェア資産の継承が可能
EP−1のマイコンには、当社製32ビットマイコンの中でも最上位のCPU性能をもつV850E2がコアとして使われているため、これまでV850を採用していたユーザーは、そのソフトウェア資産を新製品へ継承できる。
4.V850やCMOS−9HDの開発環境を使用可能
EP−1には、当社製32ビットマイコンであるV850とゲートアレイであるCMOS−9HDが搭載されているため、これまでV850およびCMOS−9HDを採用していたユーザーは、開発環境をそのまま流用して開発を進めることができる。
当社は、新製品を、開発期間が長期化し、開発費が高騰するSoCを採用しているセットメーカーの課題を解決する製品と位置づけ、また今後のASIC事業を効率良く展開する製品のひとつと考えており、これらの製品を必要とする応用分野に向けて積極的な販売活動を推進する計画です。
EP−1の仕様は、別紙をご参照ください。
以上
(注) |
マスタ
トランジスタなどの素子をシリコン・ウェハー上に形成する「拡散工程」を終えたもの。メーカーはこのマスタを予め用意しておき、ユーザーが設計した回路に応じて配線を行い、ゲートアレイとして製品化する。 |
(備考) |
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