低消費電力化を実現した無線LAN用パワーアンプICの製品化について
2006年6月28日 NECエレクトロニクス株式会社
NECエレクトロニクスはこのたび、ガリウム砒素半導体の品種拡充の一環として、無線LAN用パワーアンプICを製品化し、「μPG2315T5T」の名称で、本日からサンプル出荷を開始いたしました。
新製品は、2.4GHz帯の無線LAN規格(IEEE 802.11b/g)に対応した送信用パワーアンプICで、当社が独自で開発したガリウム砒素ヘテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタ(Heterojunction Bipolar Transistor:HBT)技術(注1)を採用することにより、18dBm出力時の消費電流を130ミリアンペアと業界最小レベルにまで低減していること、送信パワーのモニター機能を内蔵し、また業界標準の16ピンQFN(Quad Flat non-Leaded)パッケージに封入することにより、実装面積を縮小していること、などが大きな特長となっております。
新製品のサンプル価格は、120円/個となっており、量産時期としては、2006年7月より月産30万個、2007年には月産100万個を予定しております。
パソコンなどの端末機器をインターネットに接続する場合、ISDNや光通信などの有線を介して接続する方法と、無線LANを用いて接続する方法があります。無線LANのアクセスポイント、いわゆるホットスポットは、空港や大学などの公共施設を中心に設置されておりますが、近年ではこれら特定の場所に留まらず、大手フードチェーンの店舗の中など、身近なところにも設置されはじめ、無線LANを使用できる環境が一段と整備されてまいりました。また、国内においては2007年から無線LAN技術を用いたIP電話の実用化も見込まれるなど、無線LANがより一層普及することが予測されます。
無線LANで端末機器をインターネットに接続するためには、端末機器側にホットスポットとのデータ転送するための送受信機能が必要となりますが、無線LANの普及に伴い、最近ではノートパソコンや携帯ゲーム機器にこの送受信機能が内蔵されることが主流となっております。
新製品は、これら送受信機を構成するパワーアンプICで、大手無線LANチップセットベンダーのリファレンスデザインにも採用された優れた製品であり、主な特長は次の通りとなっております。
(1)低消費電力化を実現
当社独自のガリウム砒素HBT技術を採用することにより、2.4GHzの無線LAN(IEEE802.11g)規格において、18dBm出力時の消費電流を130ミリアンペアと業界最小限レベルまで低減している。
(2)送信パワーモニター機能を内蔵
無線LAN対応端末機器は、ホットスポットなどとの通信距離に応じて送信パワーを制御するが、新製品は送信パワーに応じた電圧を出力する送信パワーモニターを内蔵しているため、カプラなどの外付け部品を低減できる。
(3)標準パッケージに搭載
JEDEC(注2)標準パッケージである縦3o、横3o、厚み0.75oの16ピンQFNに搭載しているため、無線LAN基板への搭載は標準設備にて搭載可能。また、このパッケージの裏面は、ヒートシンク構造となっているため、高温にも安定した特性を実現できる。さらに環境保全を配慮し鉛フリーを実現している。
新製品の発売により当社は、送受信切り替えスイッチIC、受信用ローノイズトランジスタなど送受信機を構成する製品とともに、今後セットでの販売が強化できるものと考えており、無線LAN市場へ積極的な販売活動を展開することにしております。また、新製品の開発を推進し、より一層の品種拡充を図っていく所存です。
新製品の仕様については別紙をご参照下さい。
以上
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(注1)
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ヘテロジャンクション・バイポーラ・トランジスタ
バンドギャップの異なる半導体接合を利用したバイポーラ・トランジスタ。ベース層にガリウム砒素(GaAs)、エミッタ層によりバンドギャップの広いインジウム・ガリウム・リン(InGaP)を用いることで、優れた高周波特性を実現することができる。
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(注2)
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JEDEC: Joint Electron Device Engineering Council
電子部品の標準化を推進するアメリカの業界団体
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