フルHDサイズの大型液晶テレビを経済的に構築できる液晶ソース・ドライバICの発売について
〜新型インタフェースを搭載し、687億色を用いた高精細な表示も実現〜
2006年4月18日 NECエレクトロニクス株式会社
NECエレクトロニクスは、液晶ソース・ドライバIC(液晶ドライバIC)を駆動する制御IC(タイミングコントローラIC)を従来に比べて最大1/4となる一つまで削減できる新開発のインタフェース「PPmLTM」(注1)を搭載した液晶ドライバICを製品化し、「μPD160290」の名称で本日よりサンプル出荷を開始いたしました。この液晶ドライバICは、687億色の表示が可能な出力電圧分解能12ビットの製品であり、普及が著しいHDサイズの大型テレビを経済的に構築できるようにするものであります。
新製品は、米国テキサス・インスツルメンツ株式会社(本社:米国テキサス州ダラス、CEO:リッチ・テンプルトン氏)やザインエレクトロニクス株式会社(本社:東京都中央区、社長:飯塚哲哉氏)という高解像度ディスプレイ向け部品の有力企業および当社が企画、開発中の、「PPmLTM」対応のタイミングコントローラICと接続されて用いられるものであります。
当社では、新製品の発売に併せて、「PPmLTM」の仕様を液晶部品メーカーなどに開示し、これら企業と協力しながら、業界における本仕様の標準化を推進いたします。
新製品の主な特長は、(1)タイミングコントローラICとの間で大容量のデータを高速にやり取りできるインタフェース技術「PPmLTM」を開発したことにより、従来に比べて最大1/4となる一つのタイミングコントローラICでディスプレイ上の液晶ドライバIC(注2)全てを制御できること、(2)分解能が12ビットのD/Aコンバータを搭載し、687億色を用いた高精細な表示ができること、(3)720チャネルという出力端子数を搭載しており、1,920×1,080画素(フルHD)サイズの画面を従来の2/3となる8個の液晶ドライバICで表示すること、(4)製造する液晶ディスプレイに合わせて特性をソフトウェアで変更できるリニア出力機能を実現し、同一の液晶ドライバICで多様なディスプレイを構築できること、などであります。
この液晶ドライバICを用いると、液晶ディスプレイメーカーは、微妙な色合いや明暗を表示できる大型液晶ディスプレイを、少ない部品点数で経済的かつ容易に構築できるようになります。
新製品のサンプル価格は1,000円であります。量産の開始時期は本年末を計画しており、その規模としては月産100万個を見込んでおります。
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新製品の特長は次の通りであります。
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(1) |
制御用ICを4個から1個に削減
ディスプレイ上の液晶ドライバIC全てを一つのタイミングコントローラICで直接制御できるインタフェース技術「PPmLTM」を開発した。
これにより、40型以上の液晶ディスプレイで普及しているフルHDサイズの画面を制御するのに2〜4個必要であったタイミングコントローラICを一つに削減することができ、液晶ディスプレイを少ない部品点数で経済的に構築することができる。
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(2) |
687億色の表示を実現
表示画像の元となるアナログデータを高度に処理する技術を開発したことで、液晶ドライバICの中核部分であるD/Aコンバータの処理性能を現行の10ビットから12ビットに向上させた。
これにより、表示できる色数を10億色から687億色へと大幅に増加させることができ、画像劣化を引き起こすことなく大型画面で微妙な色合いや明暗を表示できるようになる。
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(3) |
720チャネルの出力端子数を実現
チップを構成する出力ブロック毎に搭載され、そのブロックの面積の大半を占めるD/Aコンバータの回路サイズを小型化する技術を開発した。これにより出力ブロックを小型化できるため、チップ上に多数の出力ブロックを集積できるようになることから、この領域で一般的な414〜516チャネルに比べて約4割多い720チャネルという出力端子数を実現した。
この結果、液晶ドライバIC一つが表示できる面積が広がり、例えばフルHD画面を表示する場合、480チャネルの液晶ドライバICを用いた場合より4個少ない8個で表示することが可能となるため、部品の増加による発熱や製造の手間を削減することができる。
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(4) |
リニア出力機能を実現
出力電圧分解能が10ビットの従来型液晶ドライバICと同等のチップサイズでありながら、製造する液晶ディスプレイに合わせて特性をソフトウェア制御で変化させられるリニア出力機能を実現している。
これにより、液晶ディスプレイメーカーは、周辺部品を変更することなく同一の液晶ドライバICを多様なディスプレイに用いることができるため、液晶ディスプレイごとに異なる液晶ドライバICを用いていた従来に比べて、生産や部品管理を効率化できる。
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近年、大型ディスプレイは、放送サービスの多様化や製品の低価格化を追い風に、デジタルテレビ向けやパソコン用ディスプレイ向けを中心として、爆発的な勢いで出荷台数が伸びております。
液晶ディスプレイにおいては、搭載される液晶ドライバICの個数と画面サイズの大小に関係は無く、大型のディスプレイほど液晶ドライバICは間隔を空けて搭載されることになり、その結果タイミングコントローラとの距離が長くなってしまうため、データの伝送の制御が困難になるという問題が発生しておりました。この問題を解決するために従来は、最大16個の液晶ドライバICを二つのタイミングコントローラICに接続して制御し、それら二つのタイミングコントローラICは分配用ICに接続して制御する「バス型」の接続が行われておりましたが、この方式では部品点数が多くなってしまう上に、放送サービスや映像コンテンツの大容量化には伝送速度が対応しきれないという問題が新たに発生いたしました。
当社ではこのような問題を解決するため、タイミングコントローラIC一つに最大16個の液晶ドライバICを直接接続して制御することができる技術を開発し、それに対応した液晶ドライバICのサンプル出荷を開始することにいたしました。
当社は新製品が、液晶ディスプレイメーカーの開発負担を軽減し、大型テレビユーザーの快適な視聴環境の実現を支援するものと考えており、採用している仕様の業界標準化を行いながら、積極的な開発活動を継続する計画であります。
新製品の主な仕様については別紙をご参照下さい。
以上
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(注1)
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PPmLTM: Point to Point mini-LVDS(Low Voltage Differential Signaling)の略。
PPmLTMはNECエレクトロニクスの日本における商標。
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(注2)
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液晶ソース・ドライバIC: ディスプレイ上部に横並びに配置され、表示画面に画像データを書き込む役割を担うICのこと。ディスプレイの横に縦並びに配置され、液晶ソース・ドライバICからのデータを画面に出すタイミングを司る液晶ゲート・ドライバICと組み合わせて用いられる。フルHDサイズの液晶ディスプレイでは通常、ソース・ドライバICが6〜16個、液晶ゲート・ドライバICが3〜8個搭載される。
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