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先端LSI設計・開発を支援する世界最高精度のLSI内クロック信号品質測定技術を開発


2006年2月9日  

日本電気株式会社
NECエレクトロニクス株式会社


NECおよびNECエレクトロニクスはこのたび、先端LSIの設計と開発を支援し、LSIの性能向上と信頼性確保に貢献する、世界最高精度のLSI内クロック信号品質測定技術を開発し、その基本実証に成功しました。


クロック信号品質とは、LSI内部での電気信号の品質のことです。LSI内部の信号品質の劣化は、LSIの動作不良の原因となります。通常、LSIは、予めこの信号品質劣化量を予測し、余裕(マージン)を持って設計・開発されています。しかし、微細化と大規模化が進むと、現在の解析技術ではクロック信号の信号劣化を十分に把握できず、LSI設計・開発時にマージンを大きめに取らねばならないという制約が生じ、結果的に微細化のメリットを十分に発揮することが困難となります。


このたびの開発は、こうしたLSI設計開発上の課題を克服するために、クロック品質を高精度に測定する技術で、主な特長は以下の通りです。

(1)

測定精度を従来比1桁改善し、1ピコ秒(1兆分の1秒)という世界最高精度でクロック信号の時間ゆらぎ()を測定可能。

(2)

LSIを搭載した装置が動作している状態で、装置内のクロック信号の時間揺らぎをリアルタイムに観測し、その結果をデジタル信号で出力可能。


通常、クロック信号の発振周期の時間ゆらぎ(ジッタ)は、クロック信号の発振周期の期間に一度しか観測する機会がありませんでした。今回、クロック信号を複製することで、1回のクロック信号の発振周期の期間に複数回の観測を可能としました。また、単純にクロック信号を複製するのではなく、複製後のクロック信号がお互いに時間ゆらぎの情報を分散して持つように工夫しました。これらの技術開発により、高い精度の時間ゆらぎの観測を可能としています。この結果、従来技術では測定が困難であった、次世代以降のLSI動作に影響を及ぼす可能性のある潜在的な問題を発見することができるようになります。


近年、LSIの微細化に伴い、LSI内の信号の挙動を決める物理現象は、ますます複雑化・大局化しています。従来から主に用いられてきた解析的な劣化予測によるLSI設計スキームでは、実際のLSI内の信号品質の劣化を十分に把握しきれないため、今後さらに微細化が進むと、その安定動作のためにLSI設計上のマージンを拡大せざるを得なくなり、LSIの継続的な性能向上が困難になります。
NECはこのようなLSI設計・開発の課題にいち早く着目し、LSI上の信号劣化量を測定できる回路をLSIに埋め込み、実装置環境で得られる実測結果を収集して継続的な性能向上を可能とする新しいLSI設計スキームを開発してきました。


この設計スキームにより、電子装置内のLSIが、実際にプログラムを実行している状態でも、LSI内の信号品質の劣化量の収集・解析が可能となります。従来、装置・LSI開発において行われてきた解析的な信号品質の劣化予測の、実運用環境下での正確さを検証でき、次世代のLSIを効率よく開発できます。
特に、LSI設計上のマージンは、動作タイミングを決定するクロック信号の品質劣化量に大きく依存するため、1ピコ秒(1兆分の1秒)という測定精度は、今後のLSI設計・開発力強化に重要な役割を果たします。


NECおよびNECエレクトロニクスは、高精度なLSI内クロック信号品質測定技術が、最先端LSIの開発の効率化と信頼性の向上に必須と考えています。両社は今後も継続してこれらの最先端技術をより早く、より高い信頼性を持って顧客に提供するため、積極的な研究開発活動を展開していきます。


なお、両社は今回の成果を、2月5日から9日まで、米国のカリフォルニア州サンフランシスコ市で開催される学会「国際固体回路会議(ISSCC2006)」において、8日に発表します。



以上


(注)時間ゆらぎ(ジッタ):周期信号の発振周期の時間的なゆらぎのこと。





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その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。


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