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信頼性と低電力性に優れた45nm世代のLSI配線技術を開発


〜分子/原子レベルの物性制御技術により次世代LSIの品質を向上〜


2005年12月8日  

日本電気株式会社
NECエレクトロニクス株式会社

NECおよびNECエレクトロニクスはこのたび、高信頼性と低電力性を両立した45nm世代LSI対応の多層配線技術を開発しました。


このたび開発した多層配線技術は、新たに開発した酸素吸入プロセスにより実現した低酸素Cu(銅)合金材の採用による信頼性向上と、独自の分子細孔Low−k膜材(注1)と薄層化されたデュアルダマシン構造(注2)の採用による低消費電力化により実現したもので、以下の特長を有しています。

(1)

物理化学反応を利用した独自の酸素吸収プロセスにより開発した低酸素Cu合金配線を採用。合金化による銅金属自体の強化と、信頼性劣化の一因となっていた酸化物の除去により、微細かつ薄層化された銅配線でも65nm世代のLSI配線と同等の信頼性を確保。

(2)

45nm世代LSIに対応した配線の低消費電力化を実現するため、分子で組み上げた微小な空隙(ポア)を含む分子細孔Low−k膜材と薄層デュアルダマシン構造を採用。材料面と構造面から余分な電力消費を削減することで、配線間の寄生容量を世界最小レベルにまで低減し、65nm世代LSIの配線と比較して24%の低消費電力化を実現。

(3)

分子細孔Low−k膜の酸化ダメージをなくす低ダメージ薄層化デュアルダマシン加工プロセスと極薄高分子膜による側壁被覆により、65nm世代と同等の配線間の絶縁信頼性を確保。


このたびの開発は、NECとNECエレクトロニクスが持つ原子/分子レベルの物性制御技術を統合化することで実現したものです。これらの材料物理レベルで差異化された技術により、最先端LSIが適用される高速ネットワークサーバや多機能携帯端末など次々世代機器の更なる機能集積化を低消費電力化で実現することが可能になります。


デジタルコンシューマ向けLSIデバイスは、特に低消費電力と高信頼性が求められます。一方、デバイスの微細化に伴い、配線の総延長距離が増加するため、トランジスタを接続する配線部分の消費電力が増大し、同時に、配線に起因した動作不良の割合も急増しています。配線部分の消費電力を低減するには、@層間絶縁膜になるべく電荷の貯まらない材料(Low−k膜)を導入すること、A配線層を薄くして、充放電される対向面積を可能な限り小さくすること、が必要となります。
NECは既に、NECエレクトロニクスと半導体MIRAIプロジェクトと共同で、分子状の極微細孔(ポア)を真空中で積み上げた絶縁性の高い分子細孔Low−k膜(k=2.4)を実現しています。分子細孔Low−k膜プロセスはシンプルで扱いやすいため、容易に薄膜化させることができます。今回、分子細孔Low−k膜材と薄層化したデュアルダマシン構造とを組み合わせることで、従来の65nm世代LSI配線に対して、24%の配線間寄生容量を低減させ、70nm間隔配線として世界最小レベルの消費電力を実現しました。
一方で、配線層を薄くすると銅配線の断面積が小さくなり、機械的・電気的な応力により断線不良しやすくなります。銅配線はいくつもの小さな銅結晶粒子が結合した多結晶構造をとっていますが、これらの結晶粒子間のつなぎ目(結晶粒界)が断線不良の一因となります。さらに、最近の我々の研究で銅配線中に形成される酸化物も断線不良を誘発することが分かりました。このたび、銅配線を合金化させて結晶粒界の結合を強化し、独自に開発した酸素吸収法により銅配線中の酸化物を除去した低酸素Cu合金配線を開発しました。銅よりも酸化されやすい酸素吸収金属膜を薄く銅膜上に形成して銅膜中の酸素を物理化学反応で吸収することで、断線不良の原因となる酸化物を除去しています。
狭ピッチ薄層配線間の絶縁信頼性に対しても、分子細孔Low−k膜の酸化ダメージをなくす低ダメージ薄層デュアルダマシン加工プロセスと極薄高分子膜による側壁被覆により、65nm世代と同等配線間の絶縁信頼性を確保しました。


このたび開発したLSI配線技術と、現在、45nm世代LSI用に開発中の高性能トランジスタとを組み合わせることにより、65nm世代LSIと比べて、約50%のチップ面積縮小と20%以上の低消費電力を実現しながらより高性能な動作が可能となります。


NECとNECエレクトロニクスは、今回の多孔質膜を用いた銅多層配線モジュール技術が、45nm世代の低電力LSIデバイス実現に必要不可欠なものと考え、早期の実用化を目指して今後も積極的な研究開発活動を展開していきます。


以上


(注1)

極微細孔を内包するように化学構造設計された原料分子を、真空中で積み上げて多孔質Low−k膜を成長する技術のこと。半導体MIRAIプロジェクトと共同開発し、本年6月に開催された「2005 Symposium on VLSI Technology」で発表した。

(注2)

配線溝と縦接続ビアとに一括して銅膜を埋め込んだ配線構造。





この発表に関するお客さまからの問い合わせ先

NEC 研究企画部 企画戦略グループ
https://www.nec.co.jp/r_and_d/ja/cl/contact.html


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その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。


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