ゲート長10nm未満トランジスタの性能を改善する新技術を開発
〜世界最小のバルクシリコントランジスタの実現に向けて大きく前進〜
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2005年12月5日
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日本電気株式会社 NECエレクトロニクス株式会社
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NECとNECエレクトロニクスはこのたび、一般的なバルクシリコン基板上のトランジスタを極限的に微細化する現行技術の限界を打破する新技術を開発し、従来は限界とも言われてきたゲート長10nmより小さいバルクシリコントランジスタでも、これまでの重要な技術課題の一つであったオンオフ電流比(注1)を大幅に向上し、電流制御の性能を改善できることを世界最小レベルの6nmのトランジスタで試作実証しました。
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このたびの開発の主な特長は次の通りです。この技術は45nm世代以降の将来の低消費電力・高性能システムLSIの実現にも活用できる技術です。
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ソース・ドレイン接合形成前のシリコン基板表面にシリコン結晶を選択エピタキシャル成長(注2)させて、ゲート電極直近のチャネル部分とソース・ドレインエクステンション部にせり上げ状の段差を設ける。これにより、実効的な接合深さを浅くできるためオフ特性が向上し、さらに、せり上げソース・ドレイン部の厚膜化により寄生抵抗を抑制できるためオン電流が向上する。 |
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シリコン基板と側壁絶縁材料の間を選択的にエッチングした空隙部分にエピキシャル成長を行うことで自己整合的にせり上げ段差高さを制御することが可能となり、せり上げ膜厚のゆらぎが抑制され、生産性(製造容易性)が向上する。 |
シリコンデバイスは微細化により、高性能化と高集積化を実現してきましたが、近年はその動作原理が物理的限界に近づきつつあると予測されています。NECでは平成15年12月の試作で、従来のバルク平面構造でゲート長10nm未満のトランジスタの基本動作を実証しました。しかし、オンオフ電流比の改善が研究課題となっていました。その理由は、微細化しても動作を確保するためにはソース・ドレインエクステンション接合を浅くする必要があり、浅い電気伝導層では抵抗が上昇してオン電流が抑えられてしまうといトレードオフがあるからです。
NECではかねてから、この問題を解決するために研究開発を進めてきました。その結果、このたび、ソース・ドレインエクステンション部を制御性良くせり上げる新技術の開発に成功し、従来のバルク基板を用いた10nm未満の平面型トランジスタでもオンオフ電流比が大幅に向上できることを世界最小レベルの6nmのトランジスタで試作実証しました。微細トランジスタの極限構造については、極薄膜のSOI(シリコン・オン・インシュレータ)構造(注3)や、ダブルゲート構造(注4)などの特殊なウェハとトランジスタ構造が必要ではないかと考えられていました。しかし、今回の技術開発により、ゲート長10nm未満という世界最小レベルのバルク基板上シリコントランジスタの実現性を高めることができ、安価で信頼性の高いバルク基板技術の発展により、2020年までシリコンLSIが成長していく可能性を示すことができました。
NECでは、この度開発した技術が、将来の低電力・超高速システムLSIにおけるトランジスタ開発に新たな指針を与えると考え、さらなるシステムLSIの発展を目指して、今後とも積極的な研究・開発活動を展開して参ります。
なお、両社は今回の成果を、12月5日から7日まで、米国・ワシントンDCで開催される「IEEE 国際電子デバイス会議(International Electron Devices Meeting:IEDM)」で、5日に発表します。
以上
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(注1)
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オンオフ電流比:
動作時駆動電流(オン電流)とスタンバイ時漏れ電流(オフリーク電流)との比。この値が大きい程、スタンバイ時消費電力がより小さく、かつ、より高速に動作することを示している。
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(注2)
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選択エピタキシャル成長:
清浄な結晶材料表面上に原料ガスを流し、所望の結晶(今回はシリコン)表面上にのみ、その結晶方位を保ったまま結晶を成長させる技術。但し、最適な成長条件の保持が容易ではなく、シリコン基板最表面の状態や対象物の被覆率の違い、装置内の温度分布や原料ガス濃度のむら等で、成長状態に差が生じやすく、その制御性には難がある。
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(注3)
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SOI(シリコン・オン・インシュレータ):
絶縁膜上にシリコン膜をもつ構造の総称。シリコン膜を薄膜化することにより、ソース・ドレインエクステンション部の浅接合化を実現でき、トランジスタの微細化を期待できる。
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(注4)
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ダブルゲート構造:
チャネルを含むボディ部を上下2つのゲート電極で挟んだ構造の総称。ゲート電極とボディ部間の容量結合に比べて、ソース・ドレインエクステンション部とボディ部間の容量結合を小さくすることにより、トランジスタの微細化を期待できる。しかし、立体構造のため量産性を確保するのは極めて困難と言われている。
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この発表に関するお客さまからの問い合わせ先
- NEC中央研究所 研究企画部 企画戦略グループ
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