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65nm世代およびそれ以降のLSIにおいて大幅な低消費電力化を実現するデバイスおよび回路技術の開発について
〜従来の約1/30の低消費電力を実現〜


2005年6月20日  

NECエレクトロニクス株式会社
日本電気株式会社


NECエレクトロニクスとNECは、プロセスルール65ナノメートル(nm)およびそれ以降のLSIにおいて、大幅な消費電力の削減を可能とするデバイス技術をならびに回路技術を開発いたしました。


今回開発した主な技術は、(1)High-kゲートとボディバイアスに対し高い感度でしきい値が制御可能なチャネルプロファイルの組み合わせ、(2)低消費電力化のための動的電源電圧/しきい値の制御を、常に必要な性能を維持しつつ、消費電力が最小になるように自動制御する回路技術、の2つであり、装置の動作時の低電力と待機時の低電力(Low Standby Power、以下LSTP)を実現するものであります。


これらのシナジーによる究極のローパワー化により、システムLSIの総消費電力を従来の約30分の1程度まで低減でき、例えば携帯機器のバッテリー寿命を、システムLSIの性能を落とすことなく、最大10倍程度に延ばすことが可能になります。
また、今回開発したデバイス技術と回路技術は、組み合わせることにより、あらゆるアプリケーションに適用できるという特長を有しております。


今回開発した技術は次の通りであります。

(1)

65nm世代で業界最小のオフリークを実現するHigh-kトランジスタ技術
トランジスタのスタンバイ時のリーク電流を構成する@サブスレッショルドリーク:注1)、AGate-Induced-Drain-Leakage(GIDL:注2)、Bゲートリークの全てを低減する技術を開発した。
トランジスタのボディバイアスに対してしきい値の感度を高く設計することで、サブスレッショルドリークの成分は低減可能。しかしこれは、ゲートリーク低減に対して効果がなく、また特に携帯機器向けのLSTP領域では、チャネル部の濃度が高いため、ボディバイアスをかけすぎるとGIDLの成分が増大してしまい、トータルのリーク電流が増えてしまい逆効果になり、ボディバイアスをかけられる範囲が狭められていて十分にスタンバイ時のリーク電流を低減できないという問題があった。
この問題を解決するため、High-Kトランジスタ技術を導入し、同時にチャネルプロファイルの最適な設計を行った。これによりゲートリーク成分を従来に対し2〜3桁低減すると同時に、GIDLも低減した。この結果、ボディバイアスをかけられる範囲も拡大することができ、トータルのリーク電流を低減した。
これにより、NMOSFETで1.4ピコアンペア(pA)、PMOSFETで0.3pAという、65nm世代としては業界最小のスタンバイ電流を実現した。

(2)

電力最小となる電源電圧としきい値の組み合わせを自動制御する回路技術
回路遅延、スイッチング電流とリーク電流をモニターすることで、温度などの環境に影響されることなく、常に必要性能は維持しつつ、電力最小となるように電源電圧としきい値電圧を排他的に自動設定できる回路を業界で初めて開発した。動作電力に対しては、@回路遅延を用いての電源電圧設定、Aスイッチング電流とリーク電流の比を用いてのしきい値設定を排他的に行うことにより、極めて安定に電力最低の状態への移行を実現した。スタンバイ電力に対しては、サブスレショルドリークと基板電流が等しくなるように高精度に制御することで、電力最低の状態への移行を実現した。
この技術の有効性をテストチップを用いて実証し、20%以下の誤差で最適点の検出ができることを確認した。
これらの回路は、上記(1)のボディバイアスに対して感度の高いHigh-Kトランジスタと組み合わせることで、より大きな効果を発揮し、究極の低電力を実現する。


従来、システムLSIの電源電圧を下げることにより動作電力は低減可能でありましたが、一層の微細化に伴い、性能維持のためには、低いしきい値電圧、薄いゲート絶縁膜を適用することが必要となります。
その結果、スタンバイ時あるいは低速動作時におけるリーク電流が増大してしまうという問題が発生しておりました。
NECエレクトロニクスとNECではこのようなトレードオフの問題を解決し、65nm以降のLSIにおいて、動作電力はもとより、これにも増して重要となるスタンバイ電力の増大に対応するため、今回の技術を開発いたしました。


NECエレクトロニクスとNECでは、今回開発した技術が、65nmルール以降のシステムLSIにおける低消費電力化と高性能化に不可欠なものと考えており、2006年頃の実用化を目指して、研究・開発活動を展開しております。


以上


(注1)

サブスレッショルドリーク:
トランジスタ・オフ状態において、ソース-ドレイン間に流れる漏れ電流のこと。

(注2)

Gate-Induced-Drain-Leakage(GIDL):
トランジスタ・オフ状態において、ゲート電極下のドレイン端に高い電界がかかることによりドレインから基板へ流れる漏れ電流のこと。




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