45nm世代LSIに対応した分子細孔法による新層間絶縁膜を開発
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2005年6月15日
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NECエレクトロニクス株式会社 日本電気株式会社
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NECはこのたび、NECエレクトロニクスおよび半導体MIRAIプロジェクトと共同で、LSIの低消費電力化に必要不可欠な低誘電率(Low−k)層間絶縁膜形成において、分子細孔技術(注1)という新たなコンセプトを採用した成膜法を開発し、45nm世代LSI対応の極微細配線に分子細孔Low−k膜を適用することで、その実用性を実証しました。これにより、65nm世代LSIと比べ、配線の寄生容量を16%削減しながら配線密度を2倍向上させることに成功しました。
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このたび開発した技術の特長は以下の通りです。
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(1) |
45nm世代LSIに対応したLow−k層間絶縁膜成膜法として、シリカ(SiO2)分子で組み上げた微小な空隙(ポア)を含む原料分子を直接堆積して多孔質膜を形成する新コンセプトの分子細孔プロセスを開発し、45nm世代LSIの配線層間絶縁膜の指標となる比誘電率2.4を達成。 |
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(2) |
45nm世代LSIに対応した極微細多層銅配線(70nm間隔)の絶縁分離に分子細孔Low−k膜を適用、65nm世代LSIの配線と比較して約2倍の配線密度と約16%の寄生容量低減による低消費電力化を実現。 |
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(3) |
分子細孔Low−k膜の採用で、65nm世代LSIの配線(100nm間隔)と同等の絶縁信頼性を確認。この絶縁膜の側面を独自のプラズマ重合膜で被覆する“ポアシール構造”(注2)を併用すれば、絶縁信頼性をさらに5倍改善可能。 |
本技術により、最先端LSIが適用される高速ネットワークサーバや多機能携帯端末など次々世代機器の更なる小型化と低消費電力化を実現できます。
半導体デバイスの大規模化・高速化の進展に伴い、半導体デバイスの消費電力も増加するため、継続的な消費電力削減が必要とされています。また、デバイスの微細化に伴い、トランジスタを接続する配線数や配線長が増大するため、チップ内の消費電力中、配線部分の占める割合が急増しています。このため、半導体デバイスの消費電力低減には、配線部分の寄生容量を低減する必要があります。
Low−k材料は、LSI内部の配線同士の絶縁を保ち、消費電力増加の原因となる配線間の寄生容量を防ぐ高い効果を持っており、45nm世代半導体デバイス実現のため必要不可欠な技術です。一方で、45nm世代半導体デバイス実現には、寄生容量の指標となる比誘電率は2.5以下が求められていますが、従来のLow−k成膜法では、この数値の実現のメドがたっていませんでした。
NECはかねてから、この問題を解決するための研究開発を進め、このたび、新たなコンセプトの成膜法を実現しその有効性を実証しました。今回開発した分子細孔法では、酸素とシリコンとからなる分子により極微細孔(ポア)を内包するように分子設計された原料を、真空中で積み上げて多孔質Low−k膜を成長します。希望のポア径を持つように原料分子を予め設計し、膜中のポア径やその添加量を制御する新しい技術コンセプトです。今回の45nm世代LSIでは、内径1nmΦ以下の分子ポアを持つ原料を用いてプラズマ中で活性化させて分子を積み上げ、比誘電率2.4のLow−k膜を成長することに成功しました。
45nm世代LSI用に開発中の高性能トランジスタと本LSI配線とを組み合わせることで、65nm世代LSIと回路規模が同じであれば、約50%のチップ面積縮小と20%以上の低消費電力動作が可能となります。次々世代の高速ネットワークサーバや多機能携帯端末などに導入することで、低消費電力という観点で環境にやさしいIT基盤を実現できます。
NECでは、今回の多孔質膜を用いた銅多層配線モジュール技術が、45nm世代の低電力LSIデバイス実現に必要不可欠なものと考え、早期の実用化を目指して今後とも積極的な研究開発活動を展開していきます。
なお、半導体MIRAIプロジェクトは、独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)からの委託により運営されています。
以上
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(注1)
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極微細孔を内包するように化学構造設計された原料分子を、真空中で積み上げて多孔質Low−k膜を成長する技術のこと。今回の45nm世代LSIでは、3つのシリコン原子と3つの酸素原子からなる“分子の輪”、すなわち分子ポアを持つ原料を用いてプラズマ中で活性化させて積み上げ、比誘電率2.4のLow−k膜を成長することに成功。
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(注2)
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配線部および接続ビア部の全側壁を極薄保護膜で覆う構造のこと。ポアシール材料として、独自のプラズマ重合膜を用いることで、配線の高い絶縁信頼性を実現している。また、このプラズマ重合膜は低誘電率でありながら銅拡散防止性を有しているため、絶縁信頼性の維持も可能。
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