NECおよびNECエレクトロニクスはこのたび、プロセス微細化(スケーリング)に伴うノイズマージンの劣化を克服し、45nm世代以降においても、CMOSロジック回路と共にSRAMの微細化を継続可能にするメモリ技術を開発しました。

本技術により、動作周波数が1GHzを超える次世代のシステムLSIや高速コンピュータシステムに不可欠な超高速混載メモリを実現できます。また定格電源電圧の50%でも動作することを活かし、モバイル・携帯機器用LSIのための低電力混載メモリにも適用可能です。LSI全体の電源電圧を要求処理能力に応じて可変制御することでモバイル・携帯機器の稼動時間を大幅に延ばすことができます。

このたびの開発は、主に以下の技術により実現しました。
この結果、LSI面積を大きくすることなく、書き込みマージンや動作速度を改善するために、トランジスタしきい値電圧を下げることが可能になります。これにより、45nm世代以降も、CMOSロジック回路と同様に、SRAMも微細化を継続することができます。更に、本SRAMマクロは、CMOSロジック回路と同じ遅延特性、そして、より低い電源電圧での動作が達成されるため、動作電力削減のために動的に電源電圧制御を行う応用への適用も可能です。

プロセスの微細化に伴い、トランジスタ特性ばらつきの影響が顕在化し、LSI設計は困難になります。LSIの構成要素の中でも特にSRAMは、これらの要因によって最も影響を受けやすく、読み出し中の記憶データ保持を保証するパラメータであるノイズマージンが劣化します。これまでのSRAMでは、プロセス微細化に伴い電源電圧が低下するにもかかわらずトランジスタのしきい値電圧を低下させないことで、この問題に対処していました。しかし、45nm世代以降のSRAMでは、電源電圧に占めるしきい値電圧の割合が高まり、書き込みマージンや動作速度が劣化するという問題が顕在化するため、微細化の継続が危ぶまれています。また、SRAMを定格の電源電圧以下で動作させた場合でも起こるため、従来のLSIでも、動作時電力を削減するために電源電圧の可変制御を行うと、SRAMによってLSIの電源電圧制御範囲が狭められる、低電源電圧時の速度劣化が著しい、などの問題が既に発生しています。

NECでは今回の技術が、システムLSIの一層の高性能化を実現すると考えており、システム・オン・シリコン時代のコア技術として、早期商品化を目指して研究・開発を強化していく計画です。

なお、NECでは今回の成果を、2月7日から9日まで、米国のカリフォルニア州サンフランシスコ市で開催される学会「国際固体回路会議(ISSCC2005)」において、9日に発表いたします。

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