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Volume 95 (2009/06/17)

Dr.エコのミニ講座(1):エコな明かり(LED)


Dr.エコ
エコのことならおまかせ!
Dr.エコ

今注目のエコに貢献するNECエレクトロニクスの半導体を紹介するミニ講座が開講しました。はじめまして、案内役のDr.エコです。本講座では、テーマごとに講師を迎えて、市場動向や応用分野を盛り込んだエコに貢献する半導体を分かりやすく紹介します。第一弾は、従来の電球や蛍光灯に変わる省エネ光源として注目されているLEDを駆動させるドライバやマイコンです。



今回の講師 パワーマネジメントデバイス事業部 シニアシステムインテグレータ 中田 晃三

今回の講師
パワーマネジメントデバイス事業部 シニアシステムインテグレータ
中田 晃三

「LEDを使うとなぜ省エネになるのでしょうか?
LEDの発光の仕組みから使われるセット、そこで活躍する半導体まで
Dr.エコといっしょに皆さんのギモンに答えていきます。」



LEDは「低消費電力」、「高輝度」、「長寿命」

Dr.エコLEDとは何でしょうか?



LEDとは?

中田SSILEDとは、「光を発生するダイオード」(Light Emitting Diodeの略称)で、電流を流すと発光する半導体の一種です。赤色や緑色、黄色、青色、白色などさまざまな色のLEDが開発されており、従来の電球や蛍光灯に変わる省エネ光源として注目されています。


Dr.エコでは、LEDはどのくらい省エネなのでしょうか?



LEDの省エネポイント

中田SSI電球や蛍光灯と比べてLEDが省エネだといわれているポイントは、「低消費電力」、「高輝度」、「長寿命」にあります。たとえば照明機器の場合、電球を4個使用するのと同じ明るさをLEDで実現するには、2Wタイプを18個*1使用することになりますが、消費電力は電球と比較して約19%に抑えることができます。つまりLEDは、少ない電力で明るい照明が実現できるのです。製品寿命もダイオードそのものが発光するため、従来の電球や蛍光灯のようにフィラメントの断線により切れてしまうこともなく、電球の10~100倍の長寿命だといわれています。


Dr.エコLEDはどのようなものに使われているのでしょうか?



ハイパワーLEDの応用製品

中田SSI最近では、屋外の電光掲示板や看板、イルミネーション、街灯、信号をはじめ屋内の照明などで使われはじめています。たとえば、今まで西日が強いときに見づらかった信号が鮮明に見えるようになった場合には、LEDに切り替わっている可能性が高いですよ。


4チャネル制御が可能なLEDドライバ

Dr.エコLEDを使ううえでの注意点を教えてください。



LEDの特性

中田SSI「低消費電力」、「高輝度」、「長寿命」といいこと尽くめのLEDですが、高温に弱いといったデリケートな面もあります。周囲温度が上昇するとLEDは抵抗値が下がってしまう性質があり、そのためたくさんの電流が流れてしまいます。電流が増えるとさらにLEDそのものの温度が上がり、抵抗値も下がります。これらを繰り返すことでLEDが破壊してしまう危険があります。たとえ破壊しなくても色によって電圧、電流がばらついてしまいますし、温度によって明るさも変わってきます。これらばらつきや破壊を防止するにはLEDへ安定した電流を流す(定電流駆動)回路が必要になります。


Dr.エコ安定した電流を流す回路にはどのようなものがあるのでしょうか?



中田SSI一般の電源と同じように、シリーズ電源レギュレータのような方式とスイッチング制御方式の2種類があります。LED照明は大電流ですので、効率のよいスイッチング方式の方が向いています。NECエレクトロニクスの「μPD168804」はこのスイッチング方式を取り入れたLEDを制御するICです。


Dr.エコLEDドライバ「μPD168804」の特長を教えてください。



4チャネル大電流LEDドライバIC μPD168804

中田SSI外付けのパワーMOSFETと抵抗の設定により最大1500mAまでの大電流駆動が可能な定電流駆動回路を4チャネル分1チップに搭載しており、ハイパワーなLEDを使うイルミネーションや演出照明に最適な製品です。4つのチャネルはそれぞれ独立した制御が可能です。たとえば、演出照明でRGGB(赤、緑、緑、青)やRGBW(赤、緑、青、白)など4色を組み合わせてLEDを使う場合には、今までは1つのLEDに1個の制御回路が必要でした。μPD168804では4チャネルの制御回路を1つのチップに搭載したことで1個の部品で済みますので、セットの部品点数、スペース、コスト削減が可能となり、システムのエコ化に貢献します。

また入力電圧も同様に9~38Vと広く対応していますし、外付け部品の構成とモード設定によって内部電圧の昇圧、降圧のどちらかを選択できます。たとえば、入力電圧が12Vの場合、LED8個を使用するには32Vに昇圧、LED1個の場合には5Vに降圧とLEDの使用個数などによって回路を使い分けることができますので基板など、ある程度部品の共用化も可能になります。


Dr.エコイルミネーションなどLEDの複雑な制御を行うには?



LEDドライバの使用例

中田SSILEDドライバにセット全体の制御を行うマイコンを組み合わせることで、LEDの点滅速度を変えてきらきらしたイルミネーションに利用したり、たくさんのLEDを使って絵や文字を表示するなどさらに複雑な制御を行うことができるようになります。

さらにセットの部品点数、スペース、コスト削減を実現するため、マイコンにLEDドライバ機能を内蔵できないかといった声にお応えするのが8ビットAll Flashマイコン「μPD78F8024/25」です。LEDドライバ「μPD168804」の機能に加えて、I²CやUARTの通信インタフェースやA/Dコンバータなどマイコンならではの機能も搭載していますので通信による制御や温度や明るさを検知するセンサ入力などさらに細かい制御が可能となります。お客様のニーズ(仕様、大きさなど)にあわせて、単色ならLEDドライバやドライバ機能内蔵マイコン単体で使う、複数色の制御ならLEDドライバと汎用マイコンの組み合わせ、8チャネル制御ならLEDドライバとドライバ機能内蔵マイコンの同時使用などいろいろな組み合わせでお使いいただけます。


Dr.エコLEDを安定していろいろなパターンで発光させるには、ドライバやマイコンが不可欠ということが分かりました。またLEDだけでなく、ドライバやマイコンもセットのエコ化に貢献しているのですね。ありがとうございました。


さらに広がるLEDの用途

今後、LEDはクルマのヘッドライトや液晶テレビ、一般家庭の照明などさらに使用範囲が広がっていく予定です。LEDそのものが小さいため、デザインの自由度が広がり、ユニークな照明機器が登場してくるかもしれません。エコな未来の明かり(LED)の陰には、NECエレクトロニクスのLEDドライバやAll Flashマイコンが活躍していることでしょう。これからもエコ社会の実現に向けて貢献していきます。


注釈(*)


  1. 電球の発光効率は17lm/Wのため192Wの消費電力の場合、電球の明るさは17×192(W)=3264lmになります。一方、LEDの発光効率は90lm/W。電球と同じ明るさを実現するのに必要な電力は3264÷90=36.27W。2WタイプだとLED18個を使用することになります。

Dr.エコのちょっとマメ知識

Dr.エコのちょっとマメ知識 ~LED街灯~

LED街灯最近、LEDを使った街灯を見掛けるようになりました。従来の蛍光灯と比較して半分の消費電力、さらにソーラーパネルで自家発電するLED街灯も登場するなど、少ないパワーで夜道を明るく照らすことができます。消えないことが大前提の街灯では、あらかじめ複数のLEDをつけておくことで、LEDが1個故障しても残りのLEDがカバーするような仕組みになっており、LEDドライバ「μPD168804」で考えると、1デバイスあたり、同じ白色のLEDを4個(4チャネル分)利用することで消えない街灯が実現できます。またLEDが1個故障しても明るさが変わらないようにすることも8ビットAll Flashマイコン「μPD78F8024/25」による制御で可能です。明るさセンサや電流変化などの情報をマイコンが受け取ると、LED1個あたりの電流を上げる命令を行うことで故障前と変わらない明るさが実現できます。このようにLEDドライバとマイコンはLED街灯に欠かすことのできない製品なのです。
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