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2000年6月5日
日本電気株式会社

国内BSデジタル受信機用小型高性能1チップチャネルデコーダLSIの発売

[チャネルデコーダLSI「μPD61520」]
「チャネルデコーダLSI「μPD61520」」

NEC(NECエレクトロンデバイス)はこのたび、業界最高性能を業界最小パッケージで実現したBSデジタル受信機用のチャネルデコーダLSI「μPD61520」を製品化し、量産出荷を開始いたしました。

新製品は、BSデジタル放送受信機において、チューナー部で選局した2/4/8相位相変調信号から、映像・音声信号を含んだMPEGトランスポートストリーム信号を取り出す機能を1チップに集積したもので、以下の特長を有しております。

  1. 復調アルゴリズムの最適化により同期確立時間を短縮し、100ミリ秒以内という業界最短(他社比1/5)の復号信号出力時間を実現しているため、チャネル切り替え時にすばやく応答可能。
  2. 回路構成の最適化により、他社比2/3の低消費電力化(700mW)を達成。
  3. 端子の共有化を徹底し、他社同等製品比で面積を半分に抑えた業界最小パッケージ(100ピンLQFP:ボディサイズ14mm角)に搭載。
  4. 独自のキャリアリカバリー回路(注1)の採用により、階層変調(注2)信号復調時のビットエラーレート(注3)特性を改善。

新製品のサンプル価格は、2000円となっており、量産規模としては、本年6月から月産3万個、今年度下期には月産10万個を計画しております。

今年末から本放送開始が予定されているBSデジタル放送は、従来の衛星放送システムとは異なり、独自の伝送方式が採用されます。代表的なものとして、周波数利用効率の高いTC8PSK(トレリス符号化8相位相変調)方式や、複数TS(トランスポート・ストリーム)伝送および各TS毎に複数変調を適用可能にするためのTMCC(伝送多重化制御:注4)信号の多重化が採用されています。これらの新しい方式の採用により、デジタルハイビジョン放送の多チャンネル化が可能となり魅力的な放送サービスの提供が期待されています。

しかし、BSデジタル放送は、上記のように独自の伝送方式を採用しているため、受信機を開発する上で従来の衛星放送受信機用LSIを使用する事ができず、本方式に準拠したチャネルデコーダLSIの開発が強く望まれておりました。

NECでは、このような市場ニーズに対応するため、他社に先駆け、BSデジタル放送に準拠したPSK復調機能と誤り訂正機能を1チップ化したチャネルデコーダLSIの開発に注力して参りました。本年3月から開始されておりますBSデジタルの実験放送の受信実験にて実環境における目標性能を確認できたため、BSデジタル放送用チャネルデコーダとして量産出荷を開始いたします。

新製品では小型・高性能化を実現することで、BSデジタル受信機の小型化を可能にし、BSデジタル放送市場の普及に貢献できるものと考えております。

なお、新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。

以 上


(注1) キャリアリカバリー(搬送波再生)回路:
PSK(Phase Shift Keying:位相変調)変調波の復調に必要な基準搬送波(キャリア)を受信した変調波から再生する回路。悪化した受信環境では、変調波自体にノイズが重畳されており、正確に搬送波を再生することが難しく、この回路の性能が、復調特性(ビット・エラー・レート特性)に大きく影響する。
(注2) 階層変調:
TC8PSK(トレリス符号化8相位相変調)のような大容量伝送が可能な伝送方式とQPSK(4相位相変調)/BPSK(2相位相変調)のように受信環境が悪くても受信可能な伝送方式を併用して伝送する方式。強い降雨減衰により受信機側でTC8PSKの画像/音声が遮断してもQPSK、BPSKで送信された画像/音声へ自動的に切り替えて表示を継続できる。
(注3) ビットエラーレート(誤り率):
誤りの数/送信されたビットの数を表す値で、PSKを含めたデジタル変調システムの性能を判断する上で最も重要な特性。
(注4) TMCC(Transmission & Multiplexing Configuration Control):
MPEG制御項目以外の伝送系に係わる制御を行うために、送信時に多重化されている信号。特に、複数TSにおけるスロット制御や伝送方式に関する制御情報を有しており、受信機において本情報を解読し、復調処理に活用する。

<この発表に関するお客様からの問合せ先>

NECエレクトロンデバイス
半導体テクニカルホットライン

電話 : 044−435−9494(直通)
FAX : 044−435−9608
電子メール : s-info@saed.tmg.nec.co.jp


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