uPC1555の無安定発振回路の場合を例に取り説明します。
理論式については、コンデンサC
1がチャージとディスチャージを、トリガ端子入力電圧1/3Vccとスレッシュホールド端子入力電圧2/3Vccの間で、繰り返すことによって、アウトプット端子を反転動作させるという理想的な条件で計算されたものになります。
トリガ端子に1/3Vcc以下の状態で、内部ラッチが反転しディスチャージ端子がオフになり、コンデンサC
1の充電電圧が上昇します。2/3Vccになるとスレッシュホールド端子から内部ラッチを反転しディスチャージ端子がオンになり、コンデンサC
1の充電電圧が下降します。1/3Vccになると、内部ラッチが反転しディスチャージ端子がオフになり、コンデンサC
1の充電電圧が上昇します。これを繰り返して、無安定発振動作を行ないます。
データシートの図4に示す応用回路例について、充放電時間を求めると以下のようになります。
<充電時>
充電時間は下図3のt
3からt
4に達する時間ですので、t
3とt
4を求め、(t
4- t
3)が充電時間になります。
コンデンサC
1の端子電圧(即ち6pin電圧)をVcとし、充電供給電圧をVsとすると、
時定数の式
*より、下式のようになります。
Vc=Vs{1-exp(-t/CR)} -----@
まず、上式@にt= t
3, Vc=1/3Vcc, Vs=Vcc, R=R
1+R
2, C= C
1を代入し、コンデンサの両端子間の電位差が0Vから1/3Vccになるまでの時間t
3は、
1/3Vcc=Vcc{1-exp(-t
3/((R
1+R
2)・C
1))}
1-exp(-t
3/((R
1+R
2)・C
1))=1/3
exp(-t
3/((R
1+R
2)・C
1))=2/3
t
3/(R
1+R
2)・C
1=ln(3/2)=0.405
からt
3=0.405・(R
1+R
2)・C
1と計算されます。
次に、上式@にt= t
4, Vc=2/3Vcc, Vs=Vcc, R=R
1+R
2, C= C
1を代入し、コンデンサの両端子間の電位差が0Vから2/3Vccになるまでの時間t
4は、
2/3Vcc=Vcc{1-exp(-t
4/((R
1+R
2)・C
1))}
1-exp(-t
4/((R
1+R
2)・C
1))=2/3
exp(-t
4/((R
1+R
2)・C
1))=1/3
t
4/(R
1+R
2)・C
1=ln3=1.098
からt
4=1.098・(R
1+R
2)・C
1と計算されます。
そして、コンデンサ端子電圧=(1-exp(-t
1/((R
1+R
2)・C
1)))Vcc
* が、すでに
1/3Vccの電荷に充電されている状態から、2/3Vccにチャージするまでの時間t
1
は、t
1=t
4-t
3ですので、
t
1=1.098・(R
1+R
2)・C
1-0.405・(R
1+R
2)・C
1=0.693・(R
1+R
2)・C
1
になります。
このようにして、係数0.693が計算されます。
<放電時>
放電時は、C
1からR
2を経由して放電電流が流れますので、R= R
2と置いて
放電時間t
2を同様に求めると、下式となります。
t
2=0.693・ C
1・ R
2 -----B
従いまして発振周期Tは、充電時間t
1と放電時間t
2の和となりますので、
AB式より下式となります。
T= t
1+ t
2=0.693・ C
1・( R
1+2 R
2) -----C
*注意:この式はFAQの設計>予備知識の
時定数の項をご参照下さい。
(2006/11)