製品によって慣例的に、規格を絶対最大定格と電気的特性に分けたり、電気的特性に絶対最大定格を含めたりしていますが、各項目の定義の趣旨は同じです。
絶対最大定格
一瞬たりとも、越えてはならない値です。また各項目は独立しており、1項目でも越えてはなりません。
動作(周囲)温度(TA、Topt)
正常動作を保証できる使用環境温度です。
ディスクリートでは、機能デバイスでないため、保存温度Tstgが動作周囲温度と等価になります。
ジャンクション温度(動作接合部温度:TJ、Tj)、チャネル温度(Tch)
デバイス内部のチップが許容する最高温度のことで、動作周囲温度と自己発熱による上昇温度の和となります。パワー・デバイスなどで、熱抵抗を基に、消費できる電力計算をするために必要となります。
保存温度(Tstg)
破壊を生じない、非バイアス時(どこにも電圧を印加していないとき)の周囲温度です。デバイス単体か基板実装状態かは問いません。通電していないため、ジャンクションやチャネルの部分も周囲温度と同じ温度になります。
熱抵抗
熱の伝わりにくさのことで、単位電力あたりの、パッケージの上昇温度で表します(熱設計参照)。
パワー・デバイスで、消費できる電力計算をするために必要となります。
接合部-ケース間熱抵抗(θj-c),チャネル部-ケース間熱抵抗(θch-c)
デバイス内部のチップから、パッケージ(ケース)表面までの熱抵抗です。デバイスに放熱板を付ける場合に使用する値です。ケース温度にチップ上昇温度を加えて、チップ温度を計算します。パワー・デバイスなどで、消費できる電力計算をするために必要となります。
接合部-周囲空気間熱抵抗(θj-a),チャネル部-周囲空気間熱抵抗(θch-a)
デバイス内部のチップから周囲空気までの熱の伝わりにくさを表した値です。デバイスを自立で使用する場合に使います。動作周囲温度にチップ温度上昇を加えて、チップ温度を計算します。パワー・デバイスなどで、消費できる電力計算をするために必要となります。
DC特性
デジタルICで、入出力信号が変化しない領域(DC状態)での、ハイやロウの電圧レベルに対する電圧、電流特性です。
出力電流は、出力信号が規定の電圧レベルを確保できる限界値です。
リーク電流は、MOSデバイスにおいて、ゲート絶縁膜やオフ状態のチャネルを通して流れる微少電流です。
AC特性
デジタルICで、変化する(交流)入出力信号の時間特性です。
周期や幅、遷移時間、また信号間の遅延と設定時間/保持時間を規定しています。
負荷条件と測定点は、これらの時間を規定するための条件です。測定点は一般に、DC特性の出力電圧と入力電圧となっています。
負荷条件を越える過負荷では、時定数が大きくなって、AC特性を満足しないうえ、入力側がCMOSなら貫通電流で劣化を促進させる恐れがあります。また容量の過負荷では、突入電流への対策回路がないと、劣化を促進させる恐れがあります。
容量
MOSデバイスの入出力端子-GND間、またはダイオードの両端子間の静電容量です。
DC特性とともに、出力の負荷条件への適合性を検証したり、スイッチング動作の高速性を判断するために規定しています。
推奨動作条件
期待する特性や動作が得られやすいように、推奨している条件です。パワー・デバイスなどでのディレーティングは、推奨条件内なら、絶対最大定格に対してもできます。また、デバイス選定時の目安となります。
(2008/02)