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半導体

目次

    
FAQ-ID = semi-nnnn
0001: 半導体ってなんですか。
0002: 半導体デバイスの動作原理
0003: ICとLSI
0004: なぜMOS製品は、静電気に弱いのですか。
0005: 半導体製品の種類
0101: 化合物半導体とは?
0102: 光半導体とは?
semi
-0001
半導体ってなんですか。
Q1
半導体ってなんですか。
A1
半導体(Semiconductor)というのは、導電体(Conductor)と絶縁体(Insulator)の中間の性質をもつ物質です。導電体には電気が流れやすく、絶縁体には電気が流れません。絶縁体ではありませんが、半導体の元素にはほとんど電気が流れません。
金属などの導電体には自由電子が多く含まれ、これが容易に移動するため、電気が流れやすいのです。



当初、半導体の元素としてゲルマニウム(Ge)を使用していましたが、現在はおもにシリコン(ケイ素:Si)が使用されています。



通常は半導体デバイスという表現をして、半導体を加工したものを指します。たとえば、純粋なシリコンにはほとんど電気が流れませんが、別の元素を混入(高温拡散によるイオン注入:ドーピング)することによって電気が流れるようになり、特性の異なるものを組み合わせて、いろいろな動作をさせることができます。半導体デバイスの製造工程については、半導体ができるまでをご参照ください。

シリコン(Si)の原子は、最外核に電子(-)が4つあります。電子が8つで安定するため、まわりに4つのシリコン原子が共有結合すると、安定した結晶となります(電気は流れない)。





シリコンの原子は、最外核に電子(結合の手)が4つありますが、たとえばインジウム(In:結合の手が3本)をドーピングすると、シリコンに結合するための電子が1つ足りず、これを正孔(hole)と呼びます。ここに外部からの電子を取り込みやすく、またその電子を自由電子として他へ送りやすくなり、この性質をP形(positive)と呼びます。
また、シリコンにリン(P:結合の手が5本)をドーピングすると、シリコンに結合しても電子が1つあまり、これを電子(electron)と呼びます。この電子を自由電子として他へ送りやすくなり、この性質をN形(negative)と呼びます。
半導体デバイスは、これらP形とN形の組み合わせで構成されます。
なお、これら電子(-)や正孔(+)をキャリアと呼びます。

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(2005/07)

semi
-0002
半導体デバイスの動作原理
Q1
半導体デバイスの動作原理は?
A1
P形とN形の半導体を接合すると、接合部分が中性の空乏層(depletion layer)という安定領域になります。
この両端に、P形側に+、N形側に−となるよう電池を接続すると、空乏層がせまくなって、キャリアが双方で移動できるようになり、電流が流れます。逆に、P形側に−、N形側に+となるよう電池を接続すると、空乏層が広くなって、キャリアが双方で移動できず、電流が流れません。
これがダイオードの原理で、整流作用です。ダイオードというのは、Di-electrode(2種類の電気の通り道)から命名されています。



ただし逆方向に、空乏層を突き抜けるだけの電圧をかけると、電流が流れるようになります。この電圧は降伏電圧と呼ばれ、電流に依存せず一定(安定)になります。この電圧を定電圧として利用するのがツェナー・ダイオードです。したがって、ツェナー・ダイオードは対グランド間に逆方向に設置して、信号線の一定電圧以上のノイズを吸収するような利用をします。



次に、P形とN形の半導体を交互に3つ接合すると、ダイオードを2つ向かい合わせ、または背中合わせにした構造になるので、両端のC-E間には電流が流れません。これはトランジスタの構造です。トランジスタとは、Transfer Resisterから命名されています。また、キャリアが正孔と電子の両方なので、バイポーラ・トランジスタと呼ばれます。バイポーラとは、2つ(Bi)の極性(polar=polarity)にちなんでいます。



真ん中のベースの層は、ひじょうに薄くなっていて、キャリアと逆極性の電荷を加えると、容易に両端のC-E間に電流が流れるようになります。このとき、能動状態にするために印加する電圧をバイアスと呼びます。
ベース電流IBの変化が、C-E間のコレクタ電流ICを大きく変化させます。これがバイポーラ・トランジスタの電流増幅作用です。なお、エミッタEを共通として接地(グランド接続)したときの、電流の増幅率(IC/IB)をhFE(FE: Forward, grounded Emitter)で表します(昔はβを使っていましたが、現在はhパラメータのひとつとして統一)。



接合形トランジスタの例を紹介しましたが、現在では生産性や安定性などの点で、ICのようにシリコン基板上に順次拡散を繰り返してP形とN形を形成するプレーナ形が主流です。



バイポーラに対して、ユニポーラ(1極性)のトランジスタもあります。つまり、キャリアが正孔か電子のいずれかのトランジスタです。このタイプのトランジスタは、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)と呼ばれ、接合形(J-FET)や絶縁形(MIS)などがあります。
接合形FETでは、ゲートGで発生する電界によって空乏層の大きさが変化してチャネル(通り道)の幅を変え、両端のソースSとドレインD間の電流が制御されます。電力用に向いていますが、構造上、集積回路には不向きです。



絶縁形FETでは、ゲート電極が半導体に直接接続されるのではなく、酸化膜(絶縁膜)をはさんで配置されます。このため、ゲートGには電流が流れず、またゲートと対向するチャネル部分が空乏層となって、S-D間は導通しません。ゲート電位による酸化膜の電界によって、チャネルに電荷が蓄積されると、S-D間が導通します。
この構造は、電極と半導体で絶縁体をはさんでいるため、MIS(Metal Insulator Semiconductor)構造と呼ばれ、絶縁体が酸化膜の場合には、MOS(Metal Oxide Semiconductor)といいます。したがって、このタイプのトランジスタを一般に、MOS FETまたはMOSトランジスタと呼びます。なお、チャネルが導通する極性によって、PチャネルMOS(PMOS)とNチャネルMOS(NMOS)があります。CMOS(Complementary MOS)というのは、PMOSとNMOSを組み合わせたものです。





チャネル部分について、p-pまたはn-nの間隔を微細化の尺度となるチャネル長と呼びます。また、チャネルの奥行きの長さは、チャネル幅です。

(2005/07)

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Q2
半導体デバイスで、高速のものと低速のものがありますが、どのような要因でちがうのですか。
A2
デバイスの動作速度は、信号(電子)の伝達時間によって決まります。時間は速度に反比例し、距離に比例します。
同じ距離なら、速度の速いほうが、伝達時間が短くなります。伝達速度は、物性的な特性のちがいによって異なります。半導体デバイスはP形とN形で構成されますが、これらに含まれる元素の種類とその濃度によって、電子の移動度(モビリティ)が変わり、速度の違いを生じます。もちろん、配線や端子に使用される金属の抵抗率によっても移動度は変わりますが、デバイスの動作速度に影響するほどの差はありません。



また同じ伝達速度なら、距離の短いほうが、伝達時間が短くなります。このため、プロセス・テクノロジ(0.35μmプロセスなどと表現され、この0.35μmは設計ルールと呼ばれる)を微細化して、伝達距離を短縮します。設計ルールは、チャネル長(CMOSではP-chとN-chの間隔)または最小配線ピッチのことで、この微細化によって、全体のチップ・サイズが小さくなり、高速化とともに動作電圧が低くなる傾向があります。
ただし、最近のプロセスは100nm(千万分の1m)未満の領域となり、配線の容量や抵抗などが相対的に大きくなるため、単にプロセスの微細化による高速化は困難になっています。



さらに、回路構成によって動作速度は異なります。素子の段数が多くなれば、遅延が加算されるので、速度が低下します。特にクロック同期動作をする場合、クロック・サイクルごとにしか次の動作に移らないので、そのサイクル間に動作する回路規模によって動作速度が制限されます。



半導体デバイスの動作速度は、以上の要因が組み合わさって、製品ごとに異なります。

(2007/09)

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(2007/09)

semi
-0003
ICとLSI
Q1
ICとLSIの違いは?
A1
規模を表現するかしないかの違いだけで、機能や性能を表現しているのではありません。
ICはIntegrated Circuit(集積回路)の略で総称であり、LSIはLarge Scale Integration(大規模集積回路)の略です。
ICの大規模化が進み始めた1970年代に、規模によってSSI(Small Scale Integration)、MSI(Medium Scale Integration)、LSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、ULSI(Ultra Large Scale Integration)などと分類されていましたが、高集積化はとどまるところを知らず、表現しきれなくなりました。今日では総称のICと、数千トランジスタ以上を集積したLSIという表現が一般的に用いられています。
なお、集積化していない単体のトランジスタやダイオードは、ディスクリートと呼んでいます。


(2005/07)

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Q2
ICの集積度を高くすると、どのような利点があるのですか。
A2
まず、システム全体で見ると、部品点数が少なくなるので、信頼性が向上します。また、故障時の交換部品が特定しやすく、保守が楽になります。さらにカスタム品では、回路解析が困難になり、機密性が高くなります。
次にプロセス・テクノロジを微細化した場合、特性面では高速化が期待できます。なおこの場合、動作電圧は低くなる傾向があり、消費電力や発熱の低減(ひいてはCO2削減)も実現できます。また、チップ・サイズが小さくなれば、小さなパッケージに収めることができ、実装面積を縮小できるので、システムの小型化に寄与します。
ただし、最近のプロセスは100nm(千万分の1m)未満の領域となり、配線の容量や抵抗などが相対的に大きくなるため、単にプロセスの微細化による高速化は困難になっています。また微細化すると、スタンバイ時のオフリーク電流などが増加するため、単にプロセスの微細化による低消費電力化も困難になっています。NECエレクトロニクスでは、High-Kゲート絶縁膜などの採用によって、大幅な低消費電力化を実現しています。

(2007/09)

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Q3
集積度を表すトランジスタ数とゲート数はどうちがうのですか。
A3
トランジスタ数というのは、内蔵しているバイポーラ・トランジスタやMOSトランジスタ(FET)の総数です。これに対してゲート数というのは、MOSゲート構造の数です(個々のFETのゲート端子数のことではない)。CMOSデバイスでは、基本的に2つのMOSトランジスタ(NMOSとPMOS)でゲートを構成するので、ゲート数はトランジスタ数の1/2です。ただし、オープン・ドレーン出力では、1トランジスタ(NMOSだけ)でゲート構造になるので、その分だけ違いが生じることになります。
ゲート・アレイなどの「ユーザブル・ゲート数」というのは、ユーザ回路のロジック・ゲートとして使用できる、このCMOS構造の数を意味します。


(2008/02)

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(2008/02)

semi
-0004
なぜMOS製品は、静電気に弱いのですか。
Q1
なぜMOS製品は、静電気に弱いのですか。
A1
バイポーラ製品の場合、ベース入力が半導体を伝わって、電流が流れますので、抵抗性で静電気を吸収します。
ところがMOS製品の場合は、ゲート入力が酸化膜で絶縁されていますので、電流が流れず、静電気の電圧がそのまま薄い酸化膜に印加されます。このため、酸化膜が破壊される可能性が高いのです。

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(2005/07)

semi
-0005
半導体製品の種類
Q1
半導体製品にはどのようなものがあって、どのように利用されるのですか。
A1
おもな半導体製品は、機能的には次のように分類されます。
NECエレクトロニクスでは、通信デバイスや表示・画像処理デバイスなどの専用品をASSP(Application Specific Standard Product:特定用途の標準製品)と呼んで、セミカスタム品のASIC(Application Specific IC:特定用途IC)と区別しています。



(1)ダイオード
一方向にだけ電流を流す整流素子です。ただし、逆方向でも一定電圧(降伏電圧)を越えると、導通状態になって電流が流れます。ダイオードの動作については、半導体デバイスの動作原理をご参照ください。
(a)整流ダイオード
整流機能を利用して、交流電源から直流を得るために使用されます。ここで、1本のダイオードでは、マイナス側で出力しない半波整流のため、脈を打つような脈流を出力し、平滑コンデンサを設置しても、負荷に供給する直流電圧は低くなります。4本のダイオードを使用したブリッジ整流回路では、対向の2本が組になって、交流のプラス側とマイナス側で、隣り合うダイオードが交互に順方向となって、負荷に供給する電圧が途切れない全波整流となり、平滑コンデンサの設置で高い直流電圧が得られます。また、トランスの中間タップをグランドとした二相全波整流回路でも、同様の直流電圧が得られます。



(b)スイッチング・ダイオード
電源のような大電流を流すのではなく、小信号の高速スイッチング素子として、整流機能が利用されます。
(c)ツェナー・ダイオード
逆極性での降伏電圧を越えると、導通状態になることを利用して、定電圧を得る回路や、過電圧やサージ、静電気による回路の破壊防止に使用されます。ノイズ除去を目的とする場合、その用途からノイズ・クリッピング・ダイオードとも呼ばれ、特にサージや静電気の吸収を意図する場合は、サージ・アブソーバと呼ばれることがあります。
なお、ノイズ・クリッピングをしない通常動作時には、端子間容量が信号変化の時定数に影響します。このため、高速信号線に使用する場合は、端子間容量の小さいものが必要となります。



(2)トランジスタ
入力信号の変化に応じて、増幅やスイッチング動作をする素子です。トランジスタの動作については、半導体デバイスの動作原理をご参照ください。
(a)バイポーラ・トランジスタ
おもに電流増幅に用いられます。エミッタ接地での電流増幅率(「出力/入力」の最大変化倍率)をFEで表し、製品ごとにhFEランクが規定されています。バイポーラ・トランジスタは、極性でPNP型とNPN型、特性で低周波用と高周波用分類されます。
なお、バイポーラ・トランジスタには、小信号トランジスタと電力用のパワー・トランジスタがあります。またパワー・トランジスタには、ダーリントン接続で増幅率を大きくしたものもあります。
さらに、複数のバイポーラ・トランジスタを配列したトランジスタ・アレイもあります。
(b)FET
入力に電流があまり流れない電界効果トランジスタ(FET:Field Effective Transistor)です。
J-FET(Junction FET)は、ゲート-ソース間を逆バイアスにして、電流制御をすることにより、増幅やインピーダンス変換に利用されます。ゲートに電圧を印加しなくても、ドレイン-ソース間に常時電流が流れるデプレッション形です。ゲート電圧によって、ドレイン電流が制限されます。
MOS FETは、おもに回路のスイッチングに用いられます。また、極性でPチャネルとNチャネルに分類されます。ゲートに電圧を印加しないと、ドレイン-ソース間に電流が流れないエンハンスメント形です。

(3)サイリスタ
ダイオードはPN接合で構成されますが、サイリスタはこれを2つ直列にしたPNPN構造になっています。名称は、PNP型とNPN型を組み合わせてサイラトロン動作をするトランジスタ(Thyratron Transistor)に由来します。N極にはさまれたP極をゲートとして、ここに一定の電流を流すと、ダイオードとして機能するスイッチング素子です。単体のサイリスタをSCR (Silicon Controlled Rectifier)と呼びます。
これに対して、2つのSCRを対向させて、交流制御に用いるものをトライアックと呼びます。



(4)マイコン
CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)を内蔵するデバイスで、プログラム処理で動作が自由に定義できることが特徴です。マイコンの基本機能は、入出力/転送と演算です。演算には算術演算(加減算など)と論理演算(AND、ORなど)があり、CPUにあるALU(Arithmetic Logic Unit)で実行します。入出力/転送の対象は周辺デバイスとメモリで、CPU主体のMPU(Micro Processing Unit)に対して、最近はこれらを内蔵して組み込み用途などに利用されるMCU(Micro Control Unit)が主流になっています。



CPUにはアーキテクチャという概念があって、データ・ビット幅や命令セット、アドレス空間、アドレシング・モード、周辺の資源割り当てなどが定義されています。現状のマイコンのデータ・ビット幅には、4、8、16、32、64ビットがあります。データ・ビット幅を横方向とすると、アドレスは縦方向で、これらの積が管理できるデータ量になります。なお、メモリとI/Oを別の空間として管理する方式と、I/Oもメモリ空間と同様に割り当てる方式(メモリマップトI/O)があります。



周辺デバイスには、表示などの出力、キーなどの入力、ディスク装置などの入出力をするI/Oデバイスと、タイマや割り込み制御、DMA制御などをするサポート・デバイスがあります。
メモリはROMRAMで構成され、通常はROMにプログラムが書き込まれますが、書き換えなどの目的でRAMにプログラムを置くこともあります。パソコンでは、起動プログラムがROMにあるだけで、OSやアプリケーション・プログラムは、ハード・ディスクやCD-ROMなどから読み出し、RAMに展開して実行するようになっています。また、プログラム領域には、内部メモリの場合と外部メモリの場合があります。内部ROMについては、マスクROMからフラッシュ・メモリに主流が移り変わっています
CPUは、まずメモリから命令コードを読み出し(オペコード・フェッチ)、命令デコーダで解析して、動作を決定します。このとき、PC(Program Counter)が、その命令コードのあるメモリの実行アドレスを指しており、プログラム実行ごとに更新して、次のアドレスを指定します。なお、最近のマイコンでは、命令実行ごとに次のオペコード・フェッチをするのではなく、プリフェッチ・キューに次々と命令コードを読み込んで、さらに実行もパイプラインで続けて行って、処理の効率化を図ったものがあります。
データの入出力やALUでの演算では、アキュームレータ(最近のマイコンでは表現されていません)がバッファとなって、一時的にデータを保持します。メモリとのデータ転送やI/Oとの入出力では、対象アドレスをアドレス・バスに出力して、これをアドレス・デコーダでデコードし、対象デバイスを選択して、データ・バスを通じてアキュームレータとのデータ授受をします。なお、最近の大量データを処理するマイコンでは、内蔵のキャッシュ・メモリにアクセス頻度の高いデータ群を置いて、アクセス効率の向上を図ったものがあります。
また演算の場合には、対象の2値をアキュームレータと汎用レジスタなどからALUに入力して計算し、結果をアキュームレータに入力します。
なお、割り込みサブルーチン・コールでは、現在のアドレス(PCの内容)を戻り先アドレスとして、メモリ(RAM)のスタック領域に退避させてから分岐しますが、その退避アドレスをSP(Stack Pointer)で管理していて、退避/復帰時にアドレス・バスを通じてその内容をRAMに出力します。

(5)メモリ
マイコン・システムなどで、データを記憶させるデバイスです。
(a)ROM(Read Only Memory)
読み出し用のメモリで、電源を切っても書き込みデータは消えません(不揮発性)。固定的なプログラムやデータ・テーブルなどを格納するのに使用します。ROMには、製造工程でマスクによるデータ書き込みをするマスクROMや、製造後にお客様が電気的に書き込みをするPROM(Programmable ROM)があります。またPROMは、書き換えができるEPROM(Erasable PROM)と書き換えができない(一度だけ書き込み)OTP(One Time PROM)に分けられます。EPROMについては、かつては紫外線で消去してから書き込むUVEPROMでしたが、現在は電気的に消去したり書き換えができるEEPROMが一般的です。EPROMは、プログラムが未完成時の試作などで利用されます。



(b)RAM(Random Access Memory)
システム動作時に任意に書き込み/読み出しができるメモリで、電源を切ると書き込みデータは消失します(揮発性)。一時的にプログラムやデータを格納するのに使用します。データの書き換えをする場合、上書きができます。
RAMには、電源だけ供給しておけばデータを保持するフリップ・フロップ回路によるセル構造のSRAM (Static RAM)と、定期的にリフレッシュ信号を与えないと、電源を供給していてもデータが消失してしまうコンデンサ型セル構造のDRAM(Dynamic RAM)があります。SRAMは使いやすく高速性に優れています。DRAMは大容量化に向いていますが、リフレッシュ制御が必要です。SRAMのセルのアドレスは、A0〜Anのアドレス線で直線的に配置されています。DRAMのセルのアドレスは、行アドレスA0〜Amと列アドレスA0〜Anでマトリクスに配置されていて、それぞれRAS(Row Address Strobe)とCAS(Column Address Strobe)の信号でアクティブにします。RAS信号がアクティブになると、選択されたワード線に接続されているメモリ・セルの電荷がビット線に伝わり、信号差がセンス・アンプで増幅されて、チャージされていたセルには再チャージされます。これがDRAMのリフレッシュ動作です。



(c)フラッシュ・メモリ
EEPROMの一種ですが、1バイトごとの書き換えではなく、ブロック単位で消去・書き込みを行います。当初は書き込み用の電源端子(Vpp)がある2電源でしたが、最近は1電源でシステム上での書き換えもできるようになり、ROMやRAMの中間的な位置づけで、別に分類される傾向があります。
NECエレクトロニクスの最近のマイコンは、All Flash化によってフラッシュ・メモリの内蔵が一般的となっています。マイコンの内蔵メモリについては、マイコンの内部ROMの種類をご参照ください。

(6)周辺デバイス
マイコンの周辺で、マイコンが単独で処理できない信号の入出力やデータ処理をするデバイスです。
(a)通信デバイス
システム間のデータ授受をするために、送信側と受信側の双方に出入り口としておかれます。そして双方の通信速度とプロトコル(通信の手順やフォーマット)を一致させることによって、相互の送受信が可能になります。
通信は、ATM(Asynchronous Transfer Mode)のような基幹系と、USBのような機器間のインタフェースに大別されます。また、データの並びで分けると、データ・バスのイメージで送受信するパラレル通信と、送信側でシリアル・データに変換(Serialize)して、これを受信側でパラレル・データに再変換(Deserialize)するシリアル通信があります。パラレル通信ではビット数の分だけ回線が必要で、またシリアル通信では変換回路(SERDES:Serializer/Deserializer)が必要となります。高速インタフェースの例では、パラレルのPCIに対して、シリアルのPCI Expressがあります。
なお、シリアル通信では、ビット列に応じた通信時間が必要なので、最終ビットまで正確に送受信するために、送信側と受信側で同一クロックを基準にした同期式がよく用いられます。UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)のようなビット同期式(データ列については非同期)も一般に使用されていますが、数百kbps以下で2%以下の速度誤差の場合に限られます。
また、一般に通信デバイスでは、送信データを送信側のCPUが立て続けに書き込め、受信データをCPU処理が遅くても立て続けに受信できるよう、それぞれ送信バッファと受信バッファとして、複数段のFIFOを内蔵しています。



双方向の通信方式として、常時双方向で同時通信可能な全二重と、方向を切り替える半二重があります。
(b)表示・画像処理デバイス
表示デバイスは、OSD(On-screen Display)用ICでの文字のような特定情報を出力します。OSDは、テレビの画面にリモコンの操作メニューを表示させたりする場合に使用されます。
また、画像処理デバイスは、画像データを出力したり、変形・変色などの加工や、MPEG(Moving Picture Experts Group)での符号化/復号化(CODEC:Coder/Decoder)をしたりします。ここで符号化/復号化は、伝送や保存のための情報量を少なくするための、圧縮・伸張のことです。プログラムや文字データなどは、1ビットでも欠けるとまったく異なった結果になるので、可逆圧縮(Lossless Compression)が必要ですが、画像や音声のデータは少々のビット欠けがあっても、人間には認識できないので、大幅に圧縮する非可逆圧縮(Lossy Compression)が採用されます。
NECエレクトロニクスでは、MPEGコーデックなどを内蔵したEMMA(Enhanced Multimedia Architecture)シリーズなど、多彩なデジタルAV用LSIを用意しています。
なお、画像を入力するデバイスとして、CCDセンサ(撮像素子)があります。CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)は、フォト・ダイオードでの受光によって電荷を蓄積させ、それを画像データとして転送するものです。
表示形式には、画像を格子状の画素(ドット)に分割したドット・マトリクス形式と、デジタル時計のような固定形状を組み合わせたセグメント形式があります。ドット・マトリクス形式では、分割数を多くすると画素が小さくなって、形状の滑らかさや諧調度(グラデーション)の表現力が向上し、高精細な画像となります。ただし、データ量は膨大になるので、圧縮・伸張が重要になります。また、カラーの場合には、各ドットが光の三原色であるRGB(Read, Green, Blue:赤緑青)に分解され、各データをピクセルとして処理されます。ピクセル・データを明るさで諧調表現(たとえば8ビットで0〜255)することによって、ドットの色調や濃淡を表現することができます。



【ティー・ブレイク】
光の三原色である赤緑青を合わせると、白(無色)になります。ところが、絵の具の三原色は赤青黄で、合わせると黒になります。光の黒は、三原色がいずれもない状態です。
プリンタで紙に出力するにはインクを使用するので、色データの変換をして、シアン(C:水色)、マゼンタ(M:赤紫)、イエロー(Y:黄)と、深い黒を表現するためのブラック(K:黒)の4色で表現されます。つまり、ディスプレイではRGBで、また印刷ではCMYKで、それぞれ色が表現されます。

(c)A/Dコンバータ、D/Aコンバータ
A/Dコンバータ(ADC)は、アナログ信号をデジタル信号に変換します。これにより、各種センサなどの出力をA/Dコンバータに入力すれば、アナログ・データをデジタルで処理/伝送したり保存したりできるようになります。逆にD/Aコンバータ(DAC)は、デジタル信号をアナログ信号に変換します。これらを組み合わせることによって、たとえばデジタル放送やDVDなどでの映像・音声の伝送/記録と再生が可能になります。最近はいずれも、マイコンやASSPに内蔵される傾向にあります。
A/Dコンバータでは、一定周期で入力電圧をサンプリングして、フルスケールのうちどのレベルかを順次数値化します。たとえば、12ビットのA/Dコンバータなら、基準電圧をフルスケール電圧として4096分割して、n/4096から変換結果はn(000H-FFFH)となります。



D/Aコンバータでは、デジタル・データをアナログ電圧に順次変換します。その出力間隔をA/Dコンバータでのサンプリング周期に一致させれば、アナログ波形を再生できます。

(7)オペアンプ、コンパレータ
オペアンプ(Operational Amplifier:演算増幅器)はOPアンプとも表記され、アナログ入力と基準電圧を差動増幅する回路で、増幅やアナログ演算(加算・減算・微分・積分など)ができます。演算機能を利用して、A/Dコンバータの入力段にも用いられます。詳細については、オペアンプのFAQをご参照ください。
なおオペアンプには、電圧差動型と入力にエミッタ接地トランジスタを使用した電流差動型(ノートン・アンプ)があり、NECエレクトロニクスは電圧差動型を製造しています。
コンパレータは、入力信号と基準電圧を比較する回路です。アナログ入力にもデジタル入力にも利用され、比較結果はデジタル出力となります。詳細については、コンパレータのFAQをご参照ください。

(8)電源用IC
自動車用バッテリや家庭用の電灯線は、電圧が高すぎたり交流であったりして、そのまま電子回路の電源として使用できません。このため、電圧変換や整流((1)ダイオード参照)をする必要があります。このとき、リップルの除去やDC-DC変換をするのが電源用ICです。電子機器内部の電源やACアダプタなどに応用されています。詳細については、電源用ICのFAQをご参照ください。

(9)標準ロジック
インバータやAND、ORなどのロジックICで、論理回路の基本となります。現在、ユーザ・ロジックとしては、ゲートアレイなどで機能ブロックとして提供されています。

(10)ASIC
標準的な回路素子を下地に配列したICです。お客様のシステム回路に応じた製造マスクで表面配線をして、チップを完成させます。ASICによって、開発期間の短縮や機密保護、量産コストの低減などが実現できます。標準品とフルカスタム品の間に位置するため、セミカスタム品として分類されます。
(a)ゲートアレイ
MOSゲートを格子状に配列したデジタルASICで、配線によってANDやORなどの標準ロジックとその組み合わせ回路を構成します。
(b)セルベースIC
CPUや通信デバイスなどの大規模マクロをIPコアとして用意したASICです。また、A/DコンバータやD/Aコンバータなどのアナログ・マクロも用意されています。
(c)アナログマスタ
バイポーラ・トランジスタや抵抗、コンデンサを搭載したアナログASICです。オペアンプやコンパレータも搭載しています。
(d)ミックスト・シグナルASIC
ゲートアレイとアナログマスタの機能を搭載した、デジタル・アナログ混載のASICです。

(2007/08)

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(2007/08)

semi
-0101
化合物半導体とは?
Q1
化合物半導体とは?
A1
半導体には、単体元素よりなるもの (例えばシリコン:Si)と、2種類以上の元素を人工的に結合させた結晶(例えば長年の半導体製品への応用実績があるガリウム:Gaとひ素:Asとの結晶等)からなるものとがあります。
後者を総称し化合物半導体と言います。
尚、前述のガリウムとひ素の化合物(V−X族)では,電子の移動度がシリコンの約6倍以上あるため高周波/高速用半導体デバイスの基板材料として用いられます。
その他の化合物用元素(Al:アルミ、In:インジウム、N:窒素、P:リンなど)も発光ダイオード(LDE:Light Emitting Diode)の基板材料として使用されます(注)
そして、このV−V族化合物のp形不純物として亜鉛(Zn)が、n形不純物としてはテルル(Te)がよく用いられます。



(注)
発光ダイオードの発光はダイオードに順電流を流した場合、正孔と電子との再結合により正孔と電子がもともと持っていたエネルギーよりも小さなエネルギーとなり、余分となったエネルギーが光に変わることで起こります。この発光に際し、単体元素では光が放出されにくく、化合物であると放出が行われることから化合物が発光ダイオードの基板材料として用いられます。
尚、ダイオードを構成する化合物の元素によって放出される光の波長が異なることから元素を変えることで光の色を変えることが出来ます。

(2007/08)

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(2007/08)

semi
-0102
光半導体とは?
Q1
光半導体とは?
A1
我々の身近な製品となったDVDプレーヤに使用されるレーザーダイオードは電気信号から光信号へと変換する機能を有します。またデジタルカメラ等に使用されるCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)は逆に光信号から電気信号へと変換する機能を有しています。
この様に電気信号から光信号へ、逆に光信号から電気信号に変換する機能を有する半導体を光半導体と言います。


(2007/08)

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(2007/08)









































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