(1)規格
◆規格の範囲を越えて設計/使用してはいけません。
規格外の状態では、誤動作や劣化促進や破壊により、市場不良を起こす原因になります。
また、特性は個々に異なるので、実力という考えは設計に適用できません。MIN/MAX規定については、最悪値で設計してください。
なお、静電気やサージが混入するおそれがある箇所は、ツェナー・ダイオードによる保護が必要です。
(2)端子処理
◆CMOSデバイスの入力を未接続にしてはいけません(内部プルアップを使用する場合を除く)。
ノイズによる貫通電流が、誤動作や劣化促進の原因になります。
◆出力同士を直接接続してはいけません(オープン・ドレーンやオープン・コレクタを除く)。
極性の異なる信号が衝突すると、DC特性を越える過電流が流れ、劣化促進や破壊の原因になります。
◆出力を電源やグランドに直結してはいけません。
(3)と同様で、劣化促進や破壊の原因になります。
入出力端子を入力で使用する場合のレベル固定でも、ノイズの影響で出力となる可能性を考慮すると、抵抗挿入が理想的です。
◆MOSデバイスの信号線-グランド間に、コンデンサを挿入する場合、突入電流や過電圧への対策が必要です。
ノイズ対策でよく検討されますが、コンデンサを付加するだけでは、劣化促進や破壊の原因になります。これは、信号変化時にDC特性を越える過電流が流れ、また電源遮断(0V)時に絶対最大定格を越える過電圧を印加することになるためです。
時定数の変化が、入力側のAC特性に対して問題がないことも要確認です。
◆電源遮断時に外部機器から信号が入力される電源シーケンスの場合、MOS入力なら過電圧への対策が必要です。
入力電圧の絶対最大定格で、最大値が「VDD+α」となっている場合、電源遮断(0V)時に信号を入力すると、劣化促進や破壊の原因になります。特に、この状態で電源を投入すると、ラッチアップが発生しやすくなります。
なお、「+6.5V」などの絶対値表記になっている端子では、その電圧までの入力は問題ありません。
◆外部入力クロックの周波数や供給元の切り替えで、規格を満足しないショート・パルスを発生させてはいけません。
(1)に該当するため、誤動作の原因になります。
特に、信号と非同期な手動スイッチによる切り替えに注意が必要です。
また、切り替え時にスパイク・ノイズが発生して、その電圧がDC特性を越えると、劣化促進や破壊の原因にもなります。
◆デジタル回路での手動スイッチなどの入力について、チャタリングへの考察が必要です。
機械式のスイッチやキー、リレーなどは、作動によってチャタリングを生じ、ショート・パルスを発生させるため、回路によっては誤動作の原因になります。
これらの入力をマイコンで認識する場合は、ソフト・タイマ(プログラム処理)でサンプリング待ちをして対策することができます。
なお、トグル・スイッチや回路切り替えスイッチの入力で、チャタリングが問題とならないサンプリング回路(サンプリング間隔がチャタリングより長い)なら、特に考慮する必要はありません。
◆マイコンでアナログ入力と兼用のポートを使用する場合、AVREF端子がポート電源なら電源供給をしなければいけません。
AVREFがGND接続では、ポートが機能しなかったり、内部に異常電流が流れて信頼性に影響したりすることがあります。
アナログ・ポート電源がAVREFかVDDかは、端子の入出力回路でご確認ください(電源がVDDなら、AVREFはGND接続可)。
(3)起動
◆発振回路を内蔵しているデバイスは、発振が安定する前に起動してはいけません。
不安定なクロックでは、どういう動作をするかを特定できません。
外部発振回路からマイコンへクロックを供給する場合、パワーオン・リセット信号はクロックが安定してから解除してください。
なおマイコン内部の発振については、内部タイマで安定待ち時間を設定できたり、フラグで状態確認ができる製品があります。また、時間設定については、オプション・バイトで起動時に行ったり、起動後にプログラムで行う場合があります。
(4)信号変化
◆入力信号の立ち上がり/立ち下がりは、あまり緩慢にしてはいけません。
一般に信号の遷移時間は規定されており、それを守る必要があります。しかし、マイコンのポート状態はプログラムで読み込まれるため、ランダム・ロジックに比べて時間がかかるため、立ち上がり/立ち下がり時間の規定をしていません。だからといって、あまり長い遷移状態では問題となることがありますので、大容量コンデンサで極端になまらせることなどは避けるべきです。
(5)電源供給
◆電源電圧の変動は、あまり急峻にしてはいけません。
動作電源電圧に「1.8〜5.5V」などの幅がある製品では、その範囲内の変動があっても動作可能です。ただし、その変動は0.1V/ms以内をめやすとしてください。また、電源電圧に伴って、動作周波数範囲やDC特性、絶対最大定格などが変動することにご注意ください。
(2008/06)