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32ビットCPU「V850E2コア」を搭載した専用マイコンとゲートアレイを1つのパッケージに封入した新しいタイプのASICが登場しました。開発期間の短縮や開発費の低減、部品点数の削減、実装面積の縮小に役立ちます。そのPFESiP(プラットフォームイーシップ)の開発チームに開発背景を聞きました。
鈴木:新しいASIC製品開発に向けていろいろリサーチしたところ、必ずASICの周辺にはマイコンがありました。もちろん、マイコンとASICが1つのシリコンになったSoCという場合もありました。一方、市場ニーズとしては、マイコンを利用する際に、少しカスタマイズしたいという声が非常に多かったのです。そこで、マイコンの周辺機器などを手軽にカスタマイズできるゲートアレイを組み合わせようという結論にいたりました。この組み合わせにより簡単にカスタムマイコンを提供できると考えました。
古木:もちろんセルベースICで自在にSoCを設計すればよいのですが、開発費が高くなってしまうため、設計の自由度を残したままもう1つの選択肢を提供したかったのです。PFESiPは、今までマイコンとゲートアレイを別々に使用しているお客様に対しても、1パッケージ化により部品点数の削減、実装面積の縮小を低コストで実現できるメリットがあります。
高倉:マイコンとゲートアレイの両方の製品開発を行っているからこそ実現できたNECエレクトロニクスならではの新しい発想だったといえるのではないでしょうか。もちろん、ゲートアレイだけでなく数多くのSoCを開発してきたこともこの製品化に大きく貢献していると思います。
鈴木:まず、PFESiP専用のマイコンと専用のゲートアレイマスタを開発しました。そして、これらを金線ワイヤで直接接続するための端子配置や設計、サイズなどを最適化したうえでSiP(System in a Package)化しました。お客様での最終的なタイミング検証を容易にするため、マイコンとゲートアレイ間の電気信号の基本タイミングは当社で保証しました。またインタフェース部のノイズもお客様での検証が不要となるよう当社でハイエンドの製品に適用する高精度な検証を行ったうえで提供します。よって、お客様が開発する回路はゲートアレイのロジック部のみになるので、デバイス設計と検証の工数が削減でき、開発期間の短縮が実現できます。
古木:お客様に安心してお使いいただけるよう熱抵抗や電気的特性、信頼性の解析/検証も十分に行っています。さらにマイコンとASICをSiPで1パッケージに収めるには、個別の組み合わせと比べて1.5倍のコストになるといわれていますが、低コストを実現するためにパッケージを作りこみました。
三田:マイコンでは、これまでV850マイコンをお使いのお客様が既存のソフトウエア資産を新製品へと流用することができるよう、V850E2コアをベースとした専用マイコンを開発しました。
高倉:さらに内蔵メモリは、お客様が使いやすいようにメモリを192KBに増やして性能向上も図りました。外部にフラッシュ・メモリがあるのですが、内部にメモリがあるとさらにスピードがアップしますからね。このような工夫も部品点数の削減や開発コストの低減に役立っていると思います。
古木:PFESiPの企画段階にマイコンとゲートアレイを別々に使用しているお客様に聞いてみたところ、動作周波数200MHz辺りのマイコン性能が一番多く要望がありました。用途別ではサーボ、インバータ、自販機などの産業分野、プリンタなどのOA事務機分野のお客様からのニーズが多く、これらの分野に期待しています。
三田:PFESiPの製品展開としては、CPUは200MHzから、より低消費電力を実現する100~150MHz帯、さらなる高速動作が可能な266MHz帯へと拡充していく予定です。お客様のセットにもいろいろな製品ラインナップがあるので、お客様のセット、そして我々の製品、双方に対し、今後プラットフォーム化がキーワードになってくると思います。
今までにない新しいASICのカタチ。NECエレクトロニクスのさらなる展開にご期待ください。
11月に開催された「Embedded Technology 2007」では、「PFESiP」の評価ボードを使用しマイコンにロジック回路としてLCDコントローラ機能を追加した画像表示転送デモが行われました。
「ファンクションボードのJPEGデータをUSBを介してPFESiP搭載ボードに転送します。転送されたJPEGデータはSDRAMを経由してPFESiPのマイコンでデコードし、そしてFPGAに焼きこまれたLCDコントローラ機能を使ってLCDパネルに表示します。」