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低待機時電力トランジスタと低動作時電力トランジスタとを混載した45nmノードCMOS技術を開発しました。Hfによる仕事関数制御を利用することで、高性能かつ低コストなトランジスタ集積技術を確立しました。
近年、携帯端末分野では長時間バッテリ駆動を実現するため、動作時の消費電力が小さいトランジスタと待機時の消費電力が小さいトランジスタとを集積する需要がますます高まっています。一般にトランジスタの動作時消費電力を抑えるためには、電源電圧を低くする必要があります。しかし、電源電圧の低下に伴いトランジスタの電流駆動力が低下するため、回路動作が遅くなります。よって低い電源電圧で高い電流駆動力を得るためには、ゲート絶縁膜を薄膜化する必要があります。しかし、ゲート絶縁膜を薄膜化するとゲートリーク電流が増大し、待機時消費電力が増大してしまいます。このように高性能LSIを実現するためには、ゲート絶縁膜の厚い低待機時電力トランジスタとゲート絶縁膜の薄い低動作時電力トランジスタの2種類を集積しなければならないため、製造コストの増大が問題となっていました。そこで、当社はゲート絶縁膜にHfを用いることで、低動作時電力トランジスタと低待機時電力トランジスタの両方を低コストで集積し、また、ゲート絶縁膜形成方法を工夫することで、電流駆動力を高めた45nmノードCMOS技術を開発しました。
具体的に説明すると、図1に示すように低動作時電力トランジスタ、低待機時電力トランジスタ、さらには入出力トランジスタの4種類のトランジスタでほとんどの不純物導入工程を共通化しました。特にしきい値電圧を調整するためのチャネル不純物導入工程を共通化する際には、Hfによる仕事関数制御*1を利用しました。
またゲート幅の縮小に伴い、しきい値電圧が低下する逆狭チャネル効果と呼ばれる現象が起こります。これは、チャネル中の不純物がSTI*2中へと拡散していくために起こる現象です。この現象を防ぐため、Hfによる仕事関数制御を利用することでチャネル不純物濃度を低減し、逆狭チャネル効果に強いトランジスタを実現できました(図2)。
さらにゲート絶縁膜形成工程を最適化することで、チャネル移動度を向上し、電流駆動力を向上することができました(図3)。
NECエレクトロニクスでは、これらの技術を用いることで、携帯端末分野からネットワーク分野までの幅広いアプリケーション領域において消費電力を抑えて高速化できるシステムLSIの実現に向けてまい進していきます。
注釈(*)