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ありとあらゆるシーンで利用されている携帯電話。私たちは、通話やメールの着信音を頻繁に耳にします。もともと着信音は、自分と他人の携帯電話の呼び出しを区別するために始まったもので、当初は単音で音の長さに変化をつけたものや音程をつけた単純なメロディでした。しかし、携帯電話の進化とともに和音を用いた効果音やメロディが生まれ、さらには最新のヒット曲や思い出の曲を携帯サイトからダウンロードして着信音にする「着メロ」が若者の幅広い支持を受けたことで、着信音の進化はさらに加速しました。現在64和音が主流ですが、メロディの代わりに歌で着信を知らせる「着うた®」も登場しており、着信音は単なる着信機能ではなく、エンターテイメント要素を備え、持つ人の趣味や個性を映し出す鏡となりつつあります(図1)。
こうした着信音の進化のなかで、LSIの求められる機能も変化しています。「着メロ」などの和音は、楽譜に相当する楽曲データから楽器音を生成して演奏するMIDI (Musical Instruments Digital Interface)方式を用いて音楽の生成、再生を行っています。一方「着うた®」は、MIDIに比べ高音質で再生できるMP3やAACなどの音声圧縮・伸張技術を用いて音楽データを再生します。つまりモバイルメロディLSIは、従来のMIDI方式の音の再生だけでなく、MP3やAACなどの圧縮音楽データを伸張して再生する機能も担う必要が出てきました。
このような「着うた®」などますます進化する携帯電話のニーズに応えるべく、NECエレクトロニクスは、業界ではじめて(*1)音声圧縮技術のMP3やAACに対応したモバイルメロディLSI「μPD9993」を発売しました(写真1)。
このモバイルメロディLSIのみで、従来必要だったMP3/AAC専用のLSIを搭載しなくても、メモリに記録した音声やダウンロードした楽曲などをCD並みにリアルな高音質に再生できます(図2)。
また3Dサラウンド機能を搭載しており、Adaptive Surround™技術の採用により、2チャンネルのステレオ音源ソースから5チャンネルのような広がりのある音を生成することができます。さらにDVX®技術により、ツインスピーカであっても、あたかも5つのチャンネルがあるかのようなステレオサラウンド効果を実現できます(図3)。
いまや携帯電話は、通話やメールのみならず、ゲームや音楽プレーヤー、さらに映像の録画・再生機能を盛り込んだマルチメディア端末になりつつあります。NECエレクトロクスでは、お客様のニーズにお応えできるようモバイルメロディLSIの開発を進めてまいりました。今回製品化した「μPD9993」は、MP3/AACに対応しているだけでなく、サラウンド機能も備えているため、従来の着信音のほかに、ゲームや音楽、映像をよりリアルで臨場感あふれるサウンドで楽しむことができます。 NECエレクトロニクスは、今後とも携帯電話の高性能化・多機能化に応えるソリューションを提案してまいります。
(*1)2004年9月21日現在
・ 「着メロ」は、アステル東京(株式会社鷹山)、株式会社双葉社、他の登録商標です。
・ 「着うた®」は、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの登録商標です。
・ Adaptive Surround™およびDVX®」は、株式会社ダイマジックの登録商標および商標です。