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かねてから環境経営に対し積極的に取り組んでいる自動車業界では、ここにきて地球環境問題への意識がより一層高まってきています。特に地球温暖化に直接つながる燃費の改善やCO2排出量の削減は業界全体の課題となっており、各社は技術開発にしのぎを削っています。例えば、電動パワーステアリングの開発。従来のパワーステアリングは、エンジン出力の一部を利用して油圧を生成するため、ハンドルを操作しない場合でもエンジン出力からエネルギーが発生してしまい、それを無駄にしていました。これに対し、軽自動車などで普及しつつある電動パワーステアリングでは、ハンドルを操作する時だけ必要なエネルギーを発生させるため、無駄なエネルギーを発生させることなく、その利用効率を大幅に向上させることができます。
このように、自動車のエネルギー利用効率を随所で高めるため、自動車のコントロールは電子制御による比率が高まってきています。それに伴い、自動車に搭載される半導体の数は急激に伸びており、多いものでは一台に100個近くの半導体が搭載されているものもあります(図1)。なかでも電動パワーステアリングやABS(Anti-lock Braking System)などの自動車電装機器ではより大きな電気エネルギーが必要となるため、より大きな電流を流すことのできる半導体の開発が強く求められています。
NECエレクトロニクスは、この大電流化ニーズに応えるため、オン抵抗を低く抑えるパワーMOSFETの開発が必要と考えました。オン抵抗とは、電流が流れる際の抵抗値です。抵抗値が小さいほど大きな電流を流せるのですが、このオン抵抗の低減により電力損失を低く抑えることができるため、自動車電装機器の大電流化や電力効率改善ニーズに応えることが可能なのです。
そしてこのたび、当社は業界に先駆けて従来よりも20~40%のオン抵抗値を低減した製品の開発に成功し、2003年10月よりサンプル出荷を開始します。今回開発したパワーMOSFETは、業界トップクラスの低オン抵抗性能となる「2SK3811」、「2SK3812」、「2SK3813」、「2SK3814」の4製品です。 これらは0.25µmプロセスを業界に先駆けてMOSFETに採用することによって、当社従来比で20%~40%減のオン抵抗値を実現した製品です。なかでも「2SK3811」は、従来2.4mΩ(MAX.)であったオン抵抗値を世界で最も小さい1.9mΩ(MAX.)まで低減すると同時に、110Aの電流定格を保証しています。さらに自動車電装用パワーMOSFETとしてハイパワー用途を中心に普及拡大しつつある40V定格であり、世界標準JEDEC準拠のTO-263パッケージ品でもあることから、今後の自動車ソリューション向け半導体として非常に有望なパワーMOSFETです。
NECエレクトロニクスは今後、自動車業界向けにより充実したソリューションをご提供するために、お客様のご要望に即した仕様の製品開発を強化し、順次新製品を市場に投入していく予定です。当社のパワーMOSFETは、地球環境に優しい自動車作りに貢献していきます。