ページの先頭です
本文へジャンプする

本ウェブサイトでは、JavaScriptおよびスタイルシートを使用しております。
お客さまがご使用のブラウザではスタイルが未適応のため、本来とは異なった表示になっておりますが、 情報は問題なくご利用いただけます。



Volume 8 (2003/06/12)

携帯電話向け液晶ドライバICとNECエレクトロニクス (1/2)


携帯電話の歴史をひもといてみよう

初期の携帯電話
写真1 初期の携帯電話

ちょっと前までは、場所を選ばない通信手段といえば衛星通信でした。いまでは、もちろん携帯電話ですね。いまや日本人の必需品ともいえる携帯電話。その国内における歴史は、1979年の自動車電話サービスから始まりました。当時の通話エリアは東京23区内のみで、料金は新規加入料が8万300円、月額基本料が3万円、平日昼間の通話料が6.5秒で10円と、今では考えられないほどの高額でした。

まがりなりにも「携帯電話」と呼べるようになったのは、1985年のショルダーフォンの登場から。重さは約3kgで、重量のほとんどがバッテリーだったにもかかわらず、通話時間はわずか40分ほどでした。その後、小型軽量化が急速に進み、1987年には重さ900gに、1991年には220gのムーバが登場して、ほぼ現在の携帯電話のスタイルが完成します(写真1)。


現在の携帯電話(FOMA N2051)
写真2 現在の携帯電話(FOMA N2051)

アナログ方式でスタートした携帯電話ですが、1993年には同じ量の電波でより多くの人が利用可能なデジタル方式が開始。同じ頃、保証金が必要なリース方式から「お買い上げ制度」が導入され、それをきっかけに一般ユーザーにも広く普及し始めました。そして、日本の携帯電話文化の方向を決定付けたといえるのが、1999年のi-modeの登場です。通話機能に加えて電子メールの送受信や各種コンテンツの利用が可能なi-modeは、ページャーで文字入力に親しんでいた若年層のハートをつかみ、爆発的なヒット商品となりました。

現在、最も進んだ携帯電話のひとつが「FOMA N2051」です(写真2)。カメラで撮影した動画を送れる「iモーションメール」の機能を備え、美しくスムーズな動画を送受信できるのが大きな特長です。こうした機能を具現化しているのが、176×240ドットの2.21インチ液晶ディスプレイです。この液晶ディスプレイのおかげで、携帯電話でも画像をキメ細かくリアルに表現できるようになったのですね。


携帯電話の進化は、ディスプレイ技術の進化

STN液晶ディスプレイとTFT液晶ディスプレイの構造の違い

携帯電話液晶表示は、ページャー並みのドット・キャラクタ表示から、グラフィック表示へと進化してきました。同時に大画面化も進み、大型でかつ高精細のカラー表示が常識のようになってきました。わずか3年前には、カラーコンテンツの不足から、カラー化の先行きが不安視されていたことが信じられないほどです。

カラー化された当初は、主にSTN(Super Twisted Nematic)カラー反射型の液晶ディスプレイが用いられていました。STNは単純マトリックス方式とも呼ばれ、画面の縦横に配置された電極によって画素を点灯させる方式です(図1)。画素が多くなると画質やコントラストが悪くなるという欠点があるものの、製造コストが安いというメリットがあり、当初はメーカーがこぞって採用していました。当時のカラーコンテンツが、モバイルショッピング、簡略的な地図情報、ゲームなど 256色程度で足りるものが多かったため、特に不便を感じることがなかったようです。

ところが、高精細な画像や動画を表示するとなると、ユーザーはSTN方式では満足できなくなります。そこで、動画表示の応答速度やカラー表示数の多さに対応できる、TFT(Thin Film Transistor)方式の液晶ディスプレイに注目が集まったわけです。TFT液晶は、画素となるひとひとつの素子に電圧をかけることで目的の画素を点灯させる、アクティブマトリックス方式と呼ばれるもののひとつです(図1)。


LCDドライバICの概念図

液晶ディスプレイにデータを表示するには、表示すべきデータを電圧の量に変えてLCDを駆動する仕組みが必要です。その仕事を行うのが、LCDコントローラ/ドライバICです。TFT方式対応のドライバICは、電圧の量をコントロールするソース・ドライバ部と、ディスプレイの素子のオン/オフを行うゲート・ドライバ部、そして電力を供給する電源部から構成されています(図2)。TFT液晶ディスプレイは、パソコン用ディスプレイや携帯TVなど、以前からさまざまな分野で使われてきました。携帯電話向けの液晶コントローラ/ドライバICの場合、パソコンなどの大型のディスプレイでは問題にならなかったICの大きさや消費電力が、大きな問題になってきます。こうした携帯電話のニーズに対応した液晶表示用ドライバICを開発してきたのがNECエレクトロニクスです。



| 1   2 |