フルHDサイズの大型液晶テレビ向け液晶ソース・ドライバICの新技術「PPmL™」(注1)
近年、液晶TVはデジタル放送の普及やサービスの多様化、高度化を追い風に大画面化、高精細化多色化が進み、50型を超えるフルHD製品も目立ち始めています。
NECエレクトロニクスは、「PPmL」というタイミング・コントローラICとLCDドライバICを1対1(Point to Point)で伝送できるインタフェース技術を新規開発し、より少ない部品点数で駆動でき、低コスト化に貢献致します。
新製品の発売に併せて、「PPmL」の仕様を液晶部品メーカーなどに開示し、これら企業と協力しながら、業界における本仕様の標準化を推進いたします。
今回は、NECエレクトロニクスの新技術「PPmL」のご紹介です。
開発の背景
通常、45型を越えるディスプレイの駆動回路では、タイミング・コントローラICとLCDドライバICを接続する配線距離が50cmを越えるため、従来のバス・インターフェースでは伝送が難しくなってきています。
超大型LCD-TVの問題点
そこで、現実解として配線距離を短くするには、2個~4個のタイミング・コントローラICを用いて分割制御し、周波数を下げる方法などがありますが、周辺のFPCやコネクタも含め部品点数が増え、大幅なコストアップという問題が顕在化します。
超大型LCD-TVの現実解1
幅広のFPCでかつ長いものを使用する。
→コストアップ要因(数百円)
超大型LCD-TVの現実解2
タイミングコントローラを分割して、周波数を下げることと、伝送距離を短縮する。
→大幅なコストアップ
NECエレクトロニクスの「PPmL」技術
NECエレクトロニクスの「PPmL」技術は、タイミング・コントローラICとLCDドライバICを1対1(Point to Point)で伝送できるインタフェース技術であり、配線距離が長くても伝送できるようになります。このため、1個のタイミング・コントローラICで制御可能となり、より少ない部品点数で駆動でき、低コスト化に貢献できます。
PPmLによる解決
FPC/コネクタは増えても、ピン数が半減するのでコストアップは抑えられる。
Point to Point接続とは
従来のバス接続(マルチドロップ方式)は、LCDドライバICの個数が変わっても、配線数は同じであるため、
共通にぶら下がるLCDドライバICの影響(負荷)で、スピードがあげにくいという問題がありました。
「PPmL」で採用している、Point to Point接続は、LCDドライバICの個数が少なければどんどん配線数が減らすことが可能です。1:1で接続されるため他のLCDドライバICの影響を受けず、スピードが上げやすいという特長があります。
Point to Point とバス接続
バス接続 (マルチドロップ方式)
LCDドライバICの個数が変わっても、配線数は同じ。
共通にぶら下がるLCDドライバICの影響(負荷)でスピードがあげにくい。
Point to Point接続 (1:1接続)
LCDドライバICの個数が少なければどんどん配線数が減らせる。
1:1で接続されるので他のLCDドライバICの影響を受けず、スピードが上げやすい。
PPmLの特長
- Point to Point接続による高速伝送化 (600Mbps/laneまで)
新開発の「PPmL」は、タイミング・コントローラICとLCDドライバICをPoint to Point接続(1対1)で伝送できるインタフェース技術であり、配線距離が長くてもLCDドライバICの影響を受けず高速伝送できるようになります。
このため、1個のタイミング・コントローラICで制御可能となり、より少ない部品点数で駆動でき、低コスト化に貢献できます。
- 表示解像度に柔軟に対応した規格 (WXGA、Full-HD)
従来型LCDドライバICと同等のチップサイズでありながら、製造する液晶ディスプレイに合わせて特性をソフトウェア制御で変化させられるリニア出力機能を実現しています。
これにより、液晶ディスプレイメーカは、周辺部品を変更することなく、同一のLCDドライバICを多様なディスプレイに用いることができるため、液晶ディスプレイごとに異なるLCDドライバICを用いていた従来に比べて、生産や部品管理を効率化できます。
- 標準物理層(mini-LVDS)の採用(シリコンへの実装が容易(開発TAT短縮))
新開発の「PPmL」は、標準物理層(mini-LVDS)を採用しています。そのため、液晶ディスプレイメーカは、シリコンへの実装が容易で、開発TAT短縮に貢献致します。
新製品紹介
μPD160290の主な特徴
- PPmLインタフェース搭載
- 従来のmini-LVDSも搭載(切替)
- 12bitリニアD/Aコンバータ搭載により、タイミング・コントローラICと合わせて、プログラマブルなガンマ制御が可能。
- 720chの多出力搭載で、フルHDなら8個、WXGAなら6個で構成できる。
- 黒挿入機能による動画応答改善が可能。
μPD160290の製品概要

|
項目
|
規格
|
|
ロジック電源電圧
|
3.0 V~3.6 V
|
|
液晶駆動電源電圧
|
10 V~16.5 V
|
インタフェース (mini-LVDSと新開発のPPmLインタフェースを両搭載)
|
mini-LVDS: 6pair、μPD160015上位互換(上位6ビット/下位6ビットを2ペアで伝送)
|
Point to Point: mini-LVDS 1pair 12bit シリアル・1ペア伝送
|
|
クロック周波数
|
280MHz(最大)
|
|
出力数
|
720/702/690/642
|
|
極性反転機能
|
水平方向: ドット反転、2Hドット反転 垂直方向: 任意
|
|
D/Aコンバータ分解能
|
12bitリニア(+12bit、-12bit)
|
|
階調電源
|
18本(電圧安定用)
|
|
黒挿入機能
|
000HまたはFFFHの黒を任意のタイミングで出力可能
|
|
プレスリリース
|
(注1)
|
PPmLT™:
|
|
Point to Point mini-LVDS(Low Voltage Differential Signaling)の略。
|
|
PPmL™はNECエレクトロニクスの日本、韓国における商標。
|
|